オランダのトラック運転手たち、駐車・休憩場所の慢性不足が生命の危機に
貨物輸送量は増加の一途、しかし「止まれる場所」がない
オランダの道路を走るトラックの数は年々増え続けている。物流需要の拡大とともに、幹線道路や高速道路には大型貨物車があふれているが、その運転手たちが安全に車を止め、体を休められる場所は慢性的に不足している。NRCの記者サラ・アウウェルケルクがトラック運転手たちに同行取材を行い、彼らが置かれた「身動きの取れない」現状を浮き彫りにした。
休憩できない運転手たちの実態
EUの規則では、トラック運転手は一定時間の走行後に義務的な休憩を取ることが定められている。しかし実際には、休憩を取ろうとしてもサービスエリアや駐車場はすでに満杯で、やむを得ず走行を続けるケースが後を絶たない。取材に応じた運転手たちは口をそろえて「止まりたくても止まれる場所がない」と訴える。路肩や工業団地の片隅など、本来駐車が認められていない場所に車を止めて仮眠を取ることも珍しくないという。こうした状況は疲労運転による重大事故のリスクを直接高めており、運転手自身だけでなく、他の道路利用者の生命にも関わる問題だ。
狭い国土という構造的な壁
問題の根底には、オランダという国の地理的制約がある。国土面積が限られるなかで、農地や住宅地、自然保護区などが密集しており、新たなトラック専用駐車場を建設するための用地確保は容易ではない。行政側も問題の深刻さを認識してはいるが、具体的な整備計画の策定は遅れており、現場の需要に追いつけていないのが現状だ。輸送業界団体は長年にわたって政府に対策を求めてきたが、抜本的な解決には至っていない。貨物輸送量の増加と駐車スペースの不足というギャップは、今後さらに拡大する可能性がある。
オランダ在住者への影響と社会的含意
この問題は、物流に依存するオランダ社会全体に直結している。スーパーマーケットの棚に商品が並び、ネット通販の荷物が翌日に届く背景には、休憩場所を探しながら長距離を走り続ける運転手たちの労働がある。在蘭日本人にとっても、日常的に利用する物流インフラを支える人々の厳しい実態として、決して他人事ではない。運転手の安全確保と輸送インフラの持続可能性をどう両立させるか——この問いに、オランダ社会はまだ明確な答えを出せていない。
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情報源: NRC


