犯罪に関わる少女・若い女性への支援が不足——効果が証明された治療はわずか1種類
VU大学とWODCの研究が浮き彫りにした「見えにくい課題」
犯罪に関与した少女や若い女性を支援するうえで、効果が実証されたプログラムがほとんど存在しない——。アムステルダム自由大学(VU)と司法研究・データセンター(WODC)の研究者がそう指摘し、この年齢層に特化した治療の拡充を求めている。研究の対象となったのは12歳から27歳の女性で、彼女たちが関与する犯罪は全体のごく一部にとどまり、内容も窃盗などの軽微なものが中心だ。
男子向けプログラムがそのまま使えない理由
現在オランダで効果があると認められている少女向けの治療は、攻撃性のコントロールを目的とした1種類のみ。他の多くの支援策については、有効かどうかが依然として不明なままだという。その背景には、少女と男子の問題の「根っこ」の違いがある。男子の場合は攻撃性や自制心の欠如、不良交友などが問題行動につながりやすいのに対し、少女の場合は不安障害、親との関係悪化、性的暴力などが引き金になるケースが多い。犯罪学者でVU大学の法医学教育学特別教授であるアンネ=マリー・スロットブームは、「こうした違いが、既存の治療プログラムを少女の状況に合わせにくくしている」と述べる。特に在宅支援や一般的な青少年ケアの場で提供される軽度の支援において、この問題が顕著だという。
再犯率は低くても、長期的なリスクが残る
一方で、少女の再犯率は男子と比べて低い。この点だけを見れば「問題は小さい」と映るかもしれない。しかしスロットブームは、支援の効果が不明なまま放置された場合の長期的な影響を懸念する。精神的健康の長期的な悪化、債務問題、そして将来の育児への支障——こうしたリスクが積み重なる可能性があるというのだ。「何をしているのか、それが効果的かどうかを把握することは重要。治療が逆効果になるようでは問題だ」と彼女は強調する。
この点については支援機関の間でも見解が分かれている。法医学精神科外来クリニックの「デ・ワーフ(De Waag)」は昨年、120人以上の少女・若い女性を治療しているが、「個々の状況を常に考慮している。自院の調査では、少女が男子に比べて治療の恩恵を受けにくいという証拠は見られない。むしろ一部の指標では少女の方が改善が大きい」としている。男女共通のプログラムであっても、個別対応が適切であれば十分機能するという立場だ。
オランダ社会に問われる「見えにくい課題」への目配り
全体の犯罪統計に占める割合が小さく、かつ軽微な犯罪が多いという特性から、犯罪に関わる少女・若い女性の存在は社会的に注目されにくい。16歳未満の最年少層で暴力犯罪がわずかに増加しているという傾向も確認されているが、原因は不明だ。こうした「見えにくい課題」に対してどこまで専門的なリソースを割り当てるか、今回の研究はオランダの青少年支援政策に改めて問いを投げかけている。在蘭の日本人家庭にとっても、子育てや地域との関わりのなかで、こうした支援体制の現状を知っておくことは無駄ではないだろう。
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情報源: NOS Algemeen


