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CDA党首ボンテンバル、HJショー講演で「回復力」を旗印に中道再定義を訴える
政治・行政 読了 2分

CDA党首ボンテンバル、HJショー講演で「回復力」を旗印に中道再定義を訴える

予算協議の難航を乗り越え、アムステルダムで「節度と勇気の美徳」を語る

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9月1日の月曜夜、アムステルダムの討論センター「デ・ローデ・フート」に、疲れの見える目をしながらも精力的な様子のCDA党首アンリ・ボンテンバルが現れた。週刊誌EWが主催する第18回HJショー講演への登壇だ。この講演はオランダの議会年度の非公式な幕開けとして広く知られており、歴代の演説が政治的記憶の一部となってきた。2021年にD66のシフリット・カーフ前党首が「ビジョンなき取り計らいと口利き」とマルク・ルッテ当時首相(VVD)を痛烈に批判したのも、この舞台だった。

予算協議の「修羅場」を経て、夕刻に登壇

今年は、ボンテンバル自身の出席そのものが危ぶまれていた。ロブ・イェッテン首相(D66)率いる少数連立政権は2027年度予算をめぐり、当初の締め切りであった金曜日を過ぎても合意に至れず、週末も深夜まで協議が続いた。NRCの取材に対し、事情を知る関係者らは交渉が「刺々しく」「熾烈で」「最悪だった」と表現した。特にVVDが妥協を拒む場面が多く、CDA・D66との間で正面衝突が続いたという。月曜の午後になっても合意は見えず、ボンテンバルは演説の原稿すら仕上げられていない状態だった。それが夕方にようやく決着し、急いでアムステルダム入りした形となった。

「節度と勇気」でCDA中道路線を再定義

演説の中でボンテンバルが選んだテーマは「veerkracht(回復力・しなやかさ)」だ。地政学的混乱、テクノロジーの急速な進化、若者のメンタルヘルス、経済格差といった多岐にわたるテーマを「キリスト民主主義の哲学講義」と自ら称しながら論じた後、具体的な政策提言へと移った。100の地区に対して10年間にわたり各100万ユーロを投じるコミュニティ強化策や、家族のきずなを高めるための育休制度の充実、そして心肺蘇生や長期停電時の対処法を学ぶ「オランダ準備講座」の普及などを訴えた。

VVDとの激しい交渉については、演説の末尾でほんの一言だけ触れた。「少数内閣が機能するには連立内外のすべての政党が、少数内閣にふさわしい振る舞いをすることが必要だ。政治文化は数カ月で変わるものではない。週末に閉じこもった経験からも、多くを学んだ」。名指しはしていないが、VVDの頑なな交渉姿勢を指していることは明らかだ。しかしあえて相手を傷つけない言い方を選んだことは、彼が「節度の美徳」と呼ぶ政治スタイルの体現でもあった。

移民問題では「右寄り」の側面も

CDA本来の中道路線から微妙に外れる場面もあった。移民・統合問題に差し掛かったとき、ボンテンバルは移民への抵抗感を「安心への渇望、なじみやすく理解しやすい社会への欲求」として解釈してみせた。そしてD66が昨年の下院選挙でオランダ国旗を選挙運動に使った「巧みな発想」を称えた。この姿勢は、ボンテンバルが今夏に発表した書簡とも重なる。同書簡では、長年カンペンの教会に庇護を求めているウズベク系家族「ババヤンツ家」の子どもへの恩赦に反対する立場を表明し、CDA内でも議論を呼んだ経緯がある。

在蘭日本人にとって今回の講演が直接影響するわけではないが、少数連立政権の予算協議の難航は政策の先行きに不透明感をもたらしている。「節度と勇気」を掲げながら中道の旗を守ろうとするCDAが、VVDとD66の間でどれほど独自色を発揮できるか。オランダの政治地図は、静かに塗り替えの途上にある。

情報源: NRC

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