トゥウェンテ大学で深刻なハラスメント問題が発覚――「戦争」と化した職場の内幕
同僚の会話録音、刑事捜査官の出入り…名門工科大で何が起きているのか
オランダ東部エンスヘーデに位置するトゥウェンテ大学(Universiteit Twente、以下UT)で、長年にわたるハラスメントと「深刻かつ広範な(ernstige en wijdverspreide)」心理的に危険な職場環境が存在していたことが、オランダ紙ADの調査報道によって明らかになった。問題は単なる内部告発にとどまらず、刑事捜査官が大学構内を出入りする事態にまで発展しており、その深刻さが際立っている。
同僚を録音、刑事捜査官が構内へ
ADの報道によると、一部の職員は同僚との会話を無断で録音していたという。職場内の対立が極度に高まり、互いへの不信感から自衛手段として録音行為に及んだとみられる。さらに刑事捜査官が大学構内を繰り返し訪れていることも確認されており、問題がすでに法的な局面にも踏み込んでいることを示している。職員グループの一部は現在の状況を「oorlog(戦争)」という言葉で表現し、「もはや耐えられない」と強い言葉で窮状を訴えている。
長年放置されてきた「社会的不安全」
オランダでは職場における「sociale onveiligheid(社会的不安全)」という概念が広く認識されており、ハラスメントや威圧的な職場環境を包括的に指す言葉として使われている。UTではこうした状況が長年にわたって継続していたとされ、組織としての対応の遅れが問題をここまで悪化させた可能性が指摘されている。大学側のこれまでの対応や経緯についての詳細はADの調査で引き続き掘り下げられているが、組織のガバナンスや内部通報制度の実効性に疑問符がつく形となっている。
オランダの大学が抱える構造的課題
今回の問題は、UTに限った話ではないという見方もある。オランダの高等教育機関では近年、研究者や職員の過重労働、業績評価をめぐるプレッシャー、そして権力関係に起因するハラスメントが社会問題として取り上げられてきた。UTの事態はその延長線上にある極端な事例として位置づけられる。在蘭日本人の中にも大学や研究機関に勤務・在籍する人は少なくなく、職場での権利や相談窓口について改めて確認しておく価値があるだろう。オランダには「vertrouwenspersoon(信頼担当者)」と呼ばれる学内相談員制度が法律上義務づけられており、問題を抱えた際の第一の窓口となっている。UTの一件が、各機関におけるこの制度の実効性を問い直すきっかけとなるかが今後の焦点となる。
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情報源: AD

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