経営学の学生からフェイエノールト正レギュラーへ――ディアラの数奇な道のり
経営学の学生からフェイエノールト正レギュラーへ――ディアラの数奇な道のり
「新たなティエリ・アンリ」と称された23歳のマリ出身ウインガーが、逆境を越えて台頭
フェイエノールトが夏のウインドウで外部からウインガーを獲得しようと動き続ける中、クラブ内から静かに存在感を高めている選手がいる。マリ出身の23歳、ガウッス・ディアラだ。補強の候補が取り沙汰されるたびに自らの立場が揺らぎかねない状況にあっても、ディアラは焦る様子を見せず、プレーでアピールを続けている。
「次のアンリ」という重圧
ディアラには早くから大きな期待が寄せられていた。長い手足を活かしたドリブル突破と鋭い加速は、かつての名手ティエリ・アンリを想起させるとして、オランダのサッカー界隈では「新たなアンリ」とも称されていた。しかし、そのレッテルは期待と同時にプレッシャーをもたらし、当初はトップレベルでの安定したパフォーマンスを発揮できない時期が続いた。華々しいデビューを飾った選手が壁にぶつかる構図は珍しくないが、ディアラの場合はその背景がいっそう複雑だ。
経営学の学生という異色の出発点
ディアラのキャリアで特筆すべきは、そのスタート地点だ。彼はプロサッカー選手を目指して育成組織に入ったわけではなく、経営学の学生としてアカデミックな道を歩んでいた時期があるという異例の経歴を持つ。ピッチとキャンパスを往き来するような出発点から、オランダ最高峰のエールディビジでプレーする場所にたどり着くまでには、一般的なエリートルートとは異なる、数奇な道のりがあった。その経験は本人にとって財産となっており、物事を俯瞰する冷静さや、挫折を受け流す精神的な強さにつながっているとも見られる。
補強競争のさなかで、内側から勝負
フェイエノールトがウイングポジションに外部補強を求める動きを止めていない以上、ディアラの立場は保証されていない。それでも23歳という年齢はまだ伸びしろを十分に持つ段階であり、今季の出場機会を通じてクラブ内での評価は着実に上向いている。監督やスタッフがオプションとして名前を挙げる外部選手が加入した場合でも、彼が競争から脱落するかどうかは別の話だ。
在蘭日本人のサッカーファンにとって、ディアラの物語は単なる一選手の成長譚を超えた読み応えを持つ。エリートコースを歩まずとも、回り道の末にトップの舞台へ届きうるというメッセージは、スポーツの世界に限らず普遍的な響きを持つ。フェイエノールトのデ・カイプで、このウインガーが定位置を掴む日は近いかもしれない。
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