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オランダの地下に眠る死火山――偶然の発見が解き明かした2億年前の謎
社会 読了 3分

オランダの地下に眠る死火山――偶然の発見が解き明かした2億年前の謎

石油掘削中に火道を突き抜けた1970年の驚きから始まった地質学的物語

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「オランダに地質学はない」――そんな言葉が、ウィレム・フレデリック・ヘルマンスの1966年の小説『もう眠れない』にも登場する。主人公の若い地質学者はノルウェーの同僚から、オランダは地質学を研究するには小さすぎると言われる。現実の世界でも、TNO(オランダ応用科学研究機構)地質調査部門の地質学者ヘールト=ヤン・フィス氏は「他のヨーロッパ諸国の人々からも本当に言われた。オランダには地質学がないと」と苦笑する。だがその地下には、2億年の歴史を刻んだ驚くべき痕跡が眠っている。

掘削ビットが突き抜けた「予想外の1キロ」

発端は1970年秋、石油会社エルフ・ペトロランドがワッデン海の海底でガス田探索のための掘削を行ったときのことだ。フリースラント州フリーラントの南東約10キロの地点で、事前の地震波探査が海底下に特徴的なドーム状の隆起を捉えていた。これは通常、石油やガスの貯留層を示す兆候とされる。ところが掘削を始めると、岩盤から出てきたのは1キロメートルを超える連続した緻密な火成岩だった。地質学者が直面したであろう驚きをフィス氏はこう表現する。「火山岩が出てきたら、まず本社に電話すべきだと思うのですが」。

その後の分析で、これが「ズイトワル火山」の火道(クレーターパイプ)の断面であることが判明した。掘削コアの写真には、固まったマグマの中に白・灰・赤色の角張った岩片が混じり合う激しい内部構造が記録されている。岩石の性質は「成層火山(ストラトボルケーノ)」型の粘性の高い溶岩を示しており、急峻な円錐形の山体を持ち、間欠的に爆発的噴火を繰り返す火山だったと推定される。現在この火山は、地表から2キロ以上の砂・粘土・石灰岩・砂岩の堆積層の下に、高さ約1キロの規模で完全に埋もれている。

パンゲア分裂がオランダに火山をもたらした

なぜ平坦なオランダの地下に火山が生まれたのか。その答えは約2億年前にさかのぼる。当時、地球上の大陸は「パンゲア」と呼ばれる単一の超大陸を形成していた。やがてプレートが移動し、北米・南米がヨーロッパ・アフリカから切り離されて大西洋が開いた。同じ時期、現在のイギリスとオランダの間でも大陸の裂け目(リフト)が生じ始めたが、そのリフトは北海が大洋になるには至らなかった。それでも地殻は引き延ばされて薄くなり、無数の小さな亀裂が生じた。その隙間を縫って、地球深部からマグマが地表へと向かったのだ。

この地殻変動の遺産は火山だけではない。長年の地盤沈下によってオランダには厚い堆積層が積み重なり、有機物が高温・高圧下で分解されることで大量の天然ガスと石油が生成された。周辺国と比べても豊富なこれらの化石燃料は、「数十年にわたる探査」(フィス氏)を促した。ズイトワル火山の周辺でも、火山体に被さるように湾曲した地層の中にガス田が確認されている。

ガス田と火山、そして現在のワッデン海

エルフ・ペトロランドにとって1970年の掘削は無駄ではなかった。火道から数キロ離れた場所に存在するガス田を確認した同社は、1980年代末にワッデン海に掘削プラットフォームを建設。総計143億立方メートルの天然ガスを採掘し、数年前に操業を終了した。現在もプラットフォームは撤去されず残っており、これはワッデン海唯一の掘削施設だ。

フィス氏は6年前にも別の死火山をオランダ領内で発見しており、研究は続いている。「見えないからといって、何もないわけではない」。平坦で泥っぽく、海に囲まれたこの国の地下に、大陸の誕生と分裂の記憶が静かに刻まれている。在蘭の人々にとって、ワッデン海が世界自然遺産として持つ価値は地表の生態系だけではない――その足元には、2億年の地球史が眠っているのだ。

情報源: NRC

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