草間彌生、97歳で逝去——アムステルダム大回顧展の開幕直前に
ステデリック美術館の展覧会は追悼展へ。300点超が欧州に集結
水玉模様、かぼちゃ、そして無数の鏡が織りなす「インフィニティ・ルーム」——独自のビジョンで世界を塗り替えた現代アーティスト、草間彌生が97歳で死去した。アムステルダムのステデリック美術館が大規模な回顧展の開幕を約2週間後に控えていたタイミングでの訃報であり、展覧会は図らずも没後の追悼展へと姿を変えることになった。
幻視から生まれた芸術——97年の軌跡
草間は1929年、長野県松本市に生まれた。幼少期から幻覚や幻視に悩まされ、その不安を昇華する手段として絵を描き始めたとされる。繰り返される網目、点、有機的な形態は、こうした内的体験から生まれたものだ。1950年代後半にニューヨークへ渡ると、前衛芸術の中心人物として頭角を現し、ハプニングやインスタレーションを通じて国際的な注目を集めた。
1973年に帰国し、1977年からは自らの意志で東京の精神科病院に入院。以降、生涯そこを住まいとしながら、近隣のスタジオで毎日制作活動を続けた。スタジオは声明の中で「最後まで絵筆を置かなかった」と伝えており、創作への姿勢は死の直前まで変わらなかったという。
アムステルダムで開かれる「最後の旅」
ステデリック美術館での回顧展は9月11日に開幕し、2027年1月17日まで開催される。スイスのバイエラー財団、ドイツ・ケルンのルートヴィヒ美術館を経由したヨーロッパ巡回の最終地であり、70年以上にわたる創作活動から選ばれた300点以上の作品が一堂に会する。なかにはヨーロッパで初めて公開される作品や、今回の展覧会のために制作された新作インスタレーションも含まれる。
オランダ在住の日本人にとっての意味
国外に暮らす日本人にとって、草間彌生の名は日本現代美術の象徴として特別な響きを持つ。アムステルダムという地でその全貌に触れられる機会は、そう頻繁に訪れるものではない。計報を受けた今、この展覧会は単なる回顧の場を超え、一人の芸術家の生涯と精神に改めて向き合う場となるだろう。在蘭の方はもちろん、周辺国からの訪問も含め、例年以上の注目が集まることが予想される。
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情報源: DutchNews



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