オランダの殺人件数が統計史上最少、男性被害者は30年ぶりの低水準
CBSが2025年データを公表——人口増の中でも減少傾向が続く
オランダ中央統計局(CBS)は2025年の殺人・傷害致死に関する統計を公表し、昨年1年間で命を落とした被害者は103人と、1996年の統計開始以来最少を記録したと発表した。前年2024年の120人からさらに減少しており、長期的な下降トレンドが改めて確認された形だ。
男性被害者の大幅な減少
内訳は男性65人、女性38人で、前年と比べると男性が11人、女性が6人それぞれ減少した。特に注目されるのが男性の数字で、1996年には171人だった男性被害者が、30年間で65人まで減少した。この水準は統計史上最も低い。一方、女性の被害者数は過去数十年でそれほど大きく下がっておらず、男女間での減少幅の差が際立っている。
加害者との関係性も明らかになっている。男性被害者の場合、直近5年間で最も多い加害者の類型は「顔見知り」で、全体の約30%を占める。犯罪組織による報復・制裁が絡むケースは11%だった。女性被害者については、半数が現・元パートナーまたは配偶者による殺害であり、この割合は過去15年間にわたってほぼ変わっていない。交際や婚姻関係に起因する女性への暴力が、依然として根強い課題であることを示している。
「偶然ではなく、構造的な改善」
CBS統計研究者のルーベン・ファン・ハーレン氏は、2025年単年の数字について「件数が比較的少ないため、継続的な変動が生じやすい」と慎重な見方を示しつつも、「過去25年間を見ると明確な下降トレンドがあり、オランダがこの分野で安全になっていると言える」と述べた。単一の直接的な要因は特定されていないが、長期的な傾向として治安の改善が進んでいることは確かだという。
注目すべきは、近年オランダの人口が著しく増加していることだ。絶対数でも減少しているにもかかわらず、人口比で見ればその改善幅はさらに顕著となる。欧州比較においても、CBSが公表している2023年のデータでは、オランダは人口10万人あたり0.69人という水準で、アイルランド、スイス、イタリアに次いで4番目に低い国となっている。隣国のベルギーが1.10人、フランスが1.34人であることを踏まえると、オランダが欧州でも有数の治安の良い国であることが分かる。
在蘭日本人にとってもこのデータは生活実感と結びつく。長期的な統計の改善は、オランダが移住・生活環境として相対的に安全な国であり続けていることを裏付けるものだ。ただし、女性に対するパートナーからの暴力の割合が変わっていない点は、引き続き社会的な課題として残されている。
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情報源: NRC



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