2026年夏、観測史上最高気温をオランダで記録——「5年に1度」の猛暑が新常態へ
KNMIの気候専門家が警告、温暖化が進めばその間隔はさらに縮まる
8月がまだ終わらないうちに、オランダ気象庁(KNMI)はひとつの結論を出した。2026年の夏(6〜8月)は、1901年の観測開始以来、最も暑い夏だったというものだ。デ・ビルトの観測点における今夏の平均気温は19.3℃で、これまでの最高記録だった2018年の18.9℃を約0.5℃上回った。KNMI気候専門家のピーター・ジークムント氏は「0.5℃という差は記録更新としては大きな幅だ」と強調する。
史上初が相次いだ夏
今夏の異常さを物語る数字は平均気温だけではない。35℃を超えた日数は過去最多を更新し、熱帯夜(最低気温が22℃以上の夜)の回数も例年をはるかに上回った。特に南部のマーストリヒトでは、3夜連続で最低気温が22℃を下回らないという事態が発生し、これはオランダの観測史上初の記録となった。「35℃超の日数、熱帯夜の回数、そして夜間が涼しくならない連続日数——すべてが過去最多だった。しかも猛暑が通常は最も涼しいはずの6月から始まったことには本当に驚いた」とジークムント氏は振り返る。
6月には、極端な高温を受けてKNMIが初めて「コードレッド(熱波に対する最高警戒レベル)」を発令した。その後も熱波が断続的に続き、欧州南部・西部を覆う広域的な高温・乾燥と相まって、各地でインフラや農業への深刻な影響が報告された。
「5年に1度」が新たな基準に
1976年や1947年といった過去の酷暑の夏も、当時の気候からすれば大きな異常値だった。しかし現在の気候に照らせば、今夏の気温水準はかつてほど「まれな出来事」ではなくなっている。ジークムント氏の試算によれば、現在の気候条件下で今夏と同程度の平均気温が発生する頻度は5年に1度程度にまで縮まっている。「さらに温暖化が進めば、この間隔はもっと短くなる」と同氏は警告する。
KNMIが策定している気候シナリオでは、高排出シナリオの場合、今世紀末までに気温は過去30年と同程度のペースで上昇し続けるとされる。低排出シナリオでも2050年頃まで上昇は続くが、その後は横ばいに転じる見通しだ。2050年時点では両シナリオの差は約1℃だが、2100年には最大4℃に広がるとKNMIは試算しており、今後数十年の気候政策が長期的な気温を大きく左右することになる。
秋以降の見通しと在蘭生活への影響
今夏の高温・乾燥が秋の天候にどう影響するかは、現時点では不明とされている。ただしジークムント氏は、現在の海水温が異常に高い水準にあることを指摘しており、これが今後の大雨や局地的な激しい降水につながる可能性があると述べる。オランダの秋は過去1世紀で全般的に温暖・多雨傾向に移行しており、今年もその傾向が続く可能性は否定できない。
在蘭日本人にとっても、今夏はエアコンや冷房設備が普及しにくいオランダで熱帯夜が連続するという、これまで経験したことのない状況だった。KNMIは2030年頃に新たな観測データをもとに気候シナリオを改訂する予定であり、今後の政策や都市インフラのあり方にも大きく影響するとみられる。猛暑が「例外」ではなく「日常」となる時代の入り口に、オランダは立っている。
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情報源: NOS Algemeen



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