「困っているの、助けてくれる?」——休暇中のコラムニストも危うく引っかかったフィッシング詐欺の手口
近所の高齢女性を装い、ギフトカード購入を依頼する巧妙な罠
休暇の始まりに、一通のメールが届いた。「そちらはお元気ですか?喉の病気(喉頭炎)で電話ができないので、メールで連絡しています。お願いがあるのですが」——送信者は、日頃から親しくしている高齢の近隣女性の名前だった。NRCのコラムニストが自身のコラムで明かしたこの体験は、フィッシング詐欺がいかに巧みに人の善意を利用するかを生々しく示している。
「ご近所の顔」を使った巧妙な罠
メールにはさらに続きがあった。「友人の娘が誕生日で、肝臓がんを患っている。Apple iTunesのギフトカードを贈ると約束していたのに、体調が悪くてお店に行けないし、オンラインでの購入もうまくいかない。近くのお店で買ってきてもらえないか。後で必ず代金は返す」。文面には、いかにもその女性らしい陽気な絵文字まで添えられていた。
コラムニスト本人も一瞬、疑わなかった。「この人なら本当にやりそうだ」と思い、「今日は外出の予定があるけれど、どのお店で売っているか分かれば寄れるかもしれない」と返信してしまったほどだ。幸い、その後すぐに別の近隣住民から全員宛てに「あの近隣女性のアカウントが乗っ取られている。返信しないように」という警告メールが届き、被害を免れた。
詐欺師が突く「休暇中の隙」
この手口には、フィッシング詐欺の典型的な要素がいくつも重なっている。まず、実在する知人のメールアカウントを乗っ取ることで、受信者に警戒心を持たせにくくする。次に、「病気で動けない」「今日中に必要」という緊急性を演出し、冷静な判断を奪う。そして「ギフトカード」という換金しやすいアイテムを要求することで、購入後すぐに詐欺師が利益を得られる仕組みになっている。
オランダ当局やサイバーセキュリティ機関はかねてより、こうした「ギフトカード詐欺」への注意を呼びかけている。特に被害に遭いやすいのは、高齢者や、送信者を信頼している人々だが、今回のケースが示すように、情報リテラシーが高いとされるメディア関係者も例外ではない。
在蘭日本人にとっての教訓
コラムニストは記事の末尾をこう締めくくっている。「詐欺師は休暇を取らない(Oplichters nemen nooit vakantie)」。夏の休暇シーズンは、人々の注意が緩みやすく、詐欺師にとって格好の機会となる。
オランダに住む日本人にとっても、このような詐欺は決して対岸の火事ではない。オランダ語・英語・日本語を問わず、知人を装ったメールや、ギフトカードの購入を急かすメッセージには細心の注意が必要だ。「返信する前に、別の手段で本人に直接確認する」という習慣が、被害を防ぐ最も確実な一歩となる。
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情報源: NRC



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