IJ川沿いに4年放置されたSwapfiets――気づかぬまま契約継続で高額請求
レンタル自転車の「迷子」事件が明かすサブスク契約の落とし穴
アムステルダムのIJ川沿い、フェリー乗り場近くの手すりに1台の赤い自転車が何年もの間、誰にも動かされることなく佇んでいた。錆びついたわけでも、盗まれたわけでもない。その自転車はサブスクリプション型レンタルサービス「Swapfiets」のものだった。不審に思ったSwapfietsの社長は自ら現地へ足を運び、この”謎の放置自転車”の正体を追うことにした。
フェリー乗り場での「見失い」が発端
調査の末に判明したのは、利用者の「ルーベン」にまつわるシンプルながら笑えない失敗談だった。ルーベンはある日、IJ川を渡るフェリーに乗ろうとした際、自分のSwapfietsをどこかに停めたままフェリーに乗り込んでしまった。自転車を置いてきたことには気づいたものの、その後も特に手を打たないまま日常へと戻っていった。そして気づけば約4年の歳月が流れていた。その間、自転車は同じ場所で雨風にさらされ続け、誰の目にも留まりながらも誰にも触れられることなく存在し続けた。
解約しなければ料金は発生し続ける
Swapfietsはサブスクリプション形式のサービスであり、利用者が自ら契約を解約しない限り、月額料金は自動的に引き落とされ続ける仕組みだ。ルーベンの場合、自転車を失った後も4年間にわたって契約が継続していたことになる。月額料金を単純に積み上げれば、その総額は決して小さくない。Swapfietsの月額料金はプランや時期によって異なるが、数年分ともなれば数百ユーロ規模の出費となりうる。社長が「利用者にとって高くつく出来事だった」と述べたのも無理はない。
在蘭日本人にとっての教訓
オランダでは自転車は単なる移動手段ではなく、日常生活の根幹をなすインフラだ。Swapfietsのようなサブスクリプション型レンタルサービスは、自転車の購入や修理の手間を省ける利便性から、在蘭日本人を含む多くの外国人居住者にも人気が高い。しかし今回の事例は、サービスの手軽さの裏に潜む「解約忘れ」のリスクをあらためて浮き彫りにする。自転車を紛失・盗難した際は速やかに会社へ連絡し、契約状況を確認することが重要だ。便利なサブスクサービスほど、こうした手続きの抜け漏れが思わぬ高額請求につながることを、ルーベンの4年間は静かに教えてくれている。
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