熱帯夜が年6回超、地域差大きく——高齢者施設で避難騒ぎも
南リンブルフでは平均15回、夜間の暑さが「見落とされてきたリスク」に
暑い日の終わりに自宅で涼を求めても、夜間も気温がほとんど下がらなければ、その期待は裏切られる。オランダでは年平均約6回の「熱帯夜(プラクナハト)」が記録されているが、地域によって状況は大きく異なる。気候影響アトラス(Klimaateffectatlas)のデータを地方放送局とNRCが共同分析した結果、こうした実態が浮かび上がった。
南リンブルフとランドスタットで突出した熱帯夜の多さ
熱帯夜の分布には明確な地域差がある。南リンブルフでは平均15回に達する地点もあり、ランドスタット(アムステルダムやロッテルダムなど主要都市圏)も全国平均を上回る。一方、北部オランダは平均を下回ることが多い。都市部と農村部でも差が生じており、その主因は「ヒートアイランド現象」だ。
TUデルフトで都市マイクロ気候を研究するマルヨレイン・ファン・エッシュ氏は「この現象は昼間よりも夜間に一層顕著になる」と指摘する。屋外気温が高止まりすることで、窓を開けて換気しても室内を効果的に冷やしにくくなるからだ。「室内と室外の温度差が小さいほど、自然換気による冷却効果は落ちる」と同氏は説明する。
気候適応サービス財団(Climate Adaptation Services)の研究者リゼット・クロック氏も「夜間の高温は熱波において見落とされてきた側面だ」と警鐘を鳴らす。夜間の高温が続くと睡眠の質が低下し、日中のパフォーマンスにも影響が出る。さらに、建物内に蓄積された熱が抜けないまま翌日の暑さが加わるため、室内温度は日を追うごとに上昇しやすくなる。
介護施設で相次いだ避難と医療的問題
この「熱の蓄積」が深刻な問題を引き起こした事例が今夏、相次いで報告された。デン・ボスの介護施設「デ・タリング」では6月末、ガラス屋根の下にある上階の温度が危険な水準まで上昇し、入居者と職員の一部が医療的な問題を訴えた。入居者は冷房が効いた部屋に移され、数日間をそこで過ごすことになった。施設側はその後、エアコンと扇風機を新たに設置した。「全室への設置は現実的ではないが、冷気は建物全体に広がっている」と広報担当者は語る。
ラールテでも介護サービス法人カリノヴァが運営するケアセンターで入居者の避難が必要となった。空調システムが昨年から十分に機能していなかったとされ、熱波の最中に設備が一時停止、エレベーターが止まるなどのトラブルも重なった。「多くの建物は現在とは異なる気候を前提に設計されている」とカリノヴァの担当者は認める。現在は仮設の移動式エアコンが導入されている。
高齢者施設の今後——「均衡が崩れれば命に関わる」
高齢者医療の専門家団体「ヴェレンソ(Verenso)」の会長、ヤクリーン・デ・フロート氏は「高齢者は若者に比べて体温調節機能が低下している。発汗能力が落ち、のどの渇きを感じにくいため水分補給も不十分になりがちだ」と説明する。介護施設の入居者は最も脆弱な高齢者であり、「わずかな異変が均衡を崩し、最悪の場合、死につながる可能性がある」と同氏は強調する。
在蘭日本人にとっても、この問題は他人事ではない。特に高齢の家族や介護を要する身内が施設に入居している場合、施設の冷房環境や熱波対応プロトコルの有無を確認しておくことが重要になる。また、夜間の寝室の温度管理や十分な水分補給は、猛暑時の基本的な自衛策として改めて意識しておきたい。
広告掲載にご興味のある方は こちら
情報源: NOS Algemeen



/https://content.production.cdn.art19.com/images/de/fb/b2/ff/defbb2ff-96b9-4928-89f1-503260a977ac/6b1c9cd90165d2591c177611e81dc250999ae83b225b5821830005fd5a0176337d30ccc8839e4087f0e87faa6526da6afe150833f359d2c294c118054a204f64.jpeg)