技術授業が消えていくオランダの中学校——2007年比で58%減の衝撃
深刻な職人不足が続くなか、教育現場からものづくりの時間が失われている
もうすぐ新学期を迎えるオランダの中学生たち。しかし彼らが教室で過ごす技術・工作の時間は、かつてと比べて大きく様変わりしている。報道によれば、中学校低学年(onderbouw)における技術授業の時間数は、2007年と比べて58%減少している。90万人を超える中学生が学ぶ現場で、ものづくりの授業が静かに姿を消しつつあるのだ。
数字が示す「技術離れ」の実態
58%という削減幅は、決して小さな変化ではない。約15〜20年という期間で授業時間がほぼ半減以下になったことは、カリキュラム編成における優先順位の大きな転換を意味している。オランダの学校制度では、各校が一定の裁量をもって時間割を組むことができるため、技術系科目よりも語学や数学といった「受験に直結する」教科が優先されやすい構造がある。こうした積み重ねが、全国規模での授業時間の縮小につながったとみられている。
職人不足と教育現場のジレンマ
皮肉なのは、こうした教育上の「技術離れ」が進むなか、オランダ社会では配管工や電気技師、大工といった手仕事の担い手が慢性的に不足していることだ。建設・インフラ分野をはじめ、日常生活に直結する職種での人材難は業界団体が繰り返し警鐘を鳴らしてきた問題であり、技術系の職人不足は経済的な損失にも直結する深刻な課題とされている。学校での技術教育がその入口となるべきところ、授業時間の大幅な減少はその機会そのものを狭めている。教育関係者の間では、子どもたちが早い段階でものづくりの楽しさや適性に気づく場が失われることへの懸念が根強い。
在蘭日本人家庭にとっての視点
オランダで子どもを育てる日本人家庭にとっても、こうした動向は無関係ではない。通わせている学校が技術授業をどの程度確保しているかは、学校選びの一つの指標になりえる。また、職人・技術職の不足は住宅修繕や設備工事の待ち時間増加など、生活実感としても影響が出やすい問題だ。教育と労働市場の連携というオランダ社会の構造的課題は、今後も政策論議の中心に置かれ続けるだろう。
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情報源: NU.nl



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