オランダの名優ピーター・ファーバー氏が82歳で逝去——『オランダの兵士』で知られた演劇界の巨人
ルイ・ドール賞を2度受賞、舞台・映画・ドラマで半世紀以上活躍
オランダを代表する俳優のひとり、ピーター・ファーバー氏が亡くなった。家族は金曜日、ファーバー氏が木曜日に「最愛の人々に見守られながら穏やかに」息を引き取ったと発表した。82歳だった。その訃報はオランダ国内で広く報じられ、演劇・映画界から多くの追悼の声が寄せられている。
代表作が語る、半世紀以上のキャリア
ファーバー氏の名を広く知らしめたのは、1977年公開のポール・フェルホーフェン監督による映画『Soldaat van Oranje(オランダの兵士)』だ。第二次世界大戦中のオランダを舞台にしたこの作品は、国民的な戦争映画として今もなお語り継がれており、ファーバー氏はその重要な役どころを演じた。また、少年犯罪を題材にした人間ドラマ『Ciske de Rat』でも印象的な演技を見せ、幅広い世代から支持を集めた。映画にとどまらず、テレビドラマや舞台でも精力的に活動を続け、オランダのエンターテインメント界において欠かせない存在であり続けた。
演劇界の最高峰「ルイ・ドール」を2度受賞
ファーバー氏のキャリアを象徴するのが、オランダ演劇界で最も権威ある賞とされる**「ルイ・ドール」を2度受賞**したという実績だ。この賞はオランダ国内の舞台俳優に対して贈られるもので、1度受賞することさえ容易ではない中、2度にわたって選ばれたことはその演技力と存在感の大きさを示している。舞台人としての評価は国内で非常に高く、映画やテレビとの二刀流で半世紀以上にわたりオランダの文化シーンを彩り続けた。
オランダ文化を愛する人々にとっての喪失
ファーバー氏の死去は、オランダ在住の日本人にとっても無縁ではない。オランダの歴史や文化に関心を持つ人々の間では、『Soldaat van Oranje』は現地理解の入り口となる作品のひとつでもある。同作を原作としたミュージカルはアムステルダム近郊で長年上演されており、多くの日本人駐在員や留学生も観劇した経験を持つだろう。その中心的な存在として映画版を支えた俳優の逝去は、オランダの戦後文化史における一つの時代の終わりを告げるものといえる。82年の生涯で築いた足跡は、これからも作品とともに語り継がれていくはずだ。
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