カライス・ファン・ハウテン、7年ぶり映画復帰——「お気に入りはいつしか気候の魔女になった」
離婚、内向的な子供時代、そして発言する女優への変貌
オランダが誇る女優カライス・ファン・ハウテンが、7年ぶりとなる劇映画への出演を機に、NRCのポッドキャスト「Het Uur」でインタビューに応じた。新作のテーマは「離婚」。彼女自身、幼少期に複数の親の離婚を経験しており、物語は単なるフィクションにとどまらない、個人的な共鳴を帯びた作品となっている。
「波風を立てるな」——静かな子供時代の記憶
ファン・ハウテンは幼少期を振り返り、自分が非常に内向的な子供だったと語る。「すべては自分の内側で起きていた。感情をうまく外に出せなかった」と彼女は言う。家庭の中には爆発的な緊張感があり、それが怖かった。義父の愛情を失わないよう、彼女は何も言わないことを学んでいった——「Don’t rock the boat(波風を立てるな)」という言葉が、その時代の処世術を端的に表している。
そんな彼女が自分の「存在意義」を見つけたのは、舞台の上だった。「舞台に立って、初めて見てもらえると感じた」と語る通り、演劇は彼女にとって単なる職業の選択ではなく、表現の場そのものだった。家庭でも、メディアの世界でも、長らく「みんなのお気に入り」として愛されてきた彼女だが、その立場は次第に変わっていくことになる。
「気候の魔女」と呼ばれるまで
転機は、彼女が「口を開き始めた」ときだった。気候変動をはじめとする社会問題に対して積極的に発言するようになると、かつてメディアに愛されたイメージは一変した。「お気に入りの女優が、気候の魔女になってしまった」——そう自嘲気味に振り返るその言葉には、世間の反応への鋭い観察が込められている。
葛藤を避けて育った彼女が、今では明確な道徳的立場を取るようになっている。自由な環境の中で育ち、善悪の明確な線引きのない幼少期を過ごした自分が、なぜこうなったのか。「心の中の静かなネズミが思う——いったいどうしてこうなったのだろう、と」。その変化に、彼女自身も驚いているようだ。
オランダの著名人と「発言のコスト」
ファン・ハウテンの語りは、著名人が社会問題に声を上げることのリスクと変化を浮かび上がらせる。かつては「角を立てない」ことで周囲の愛情を守ってきた女性が、今や気候や社会正義について公の場で発言し、そのたびにバッシングにさらされる。オランダに暮らす日本人にとっても、異国で自分の意見を表明することへの葛藤は決して他人事ではないだろう。彼女の言葉は、自己表現と社会的反応の間で揺れる多くの人々の心に静かに響く。
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情報源: NRC


