オランダで深刻化する地盤沈下、2035年までに約50万棟が被害を受ける見通し
対策なければ総損害額は540億ユーロ——専門家は「土地の扱い方の抜本的転換」を訴える
オランダ全土で地盤沈下による建物被害が拡大している。NU.nlが報じたところによると、すでに損害を受けているか、2035年までに被害を受ける見込みの建物は約50万棟にのぼる。このまま有効な対策が講じられなければ、国全体の損害総額は膨大な規模に達するとの推計が示されており、社会インフラへの影響が懸念されている。
540億ユーロという「放置のコスト」
試算によれば、何も手を打たなかった場合に想定される総損害額は540億ユーロに達する。これは住宅や商業施設、公共建築物の修繕・建て替え費用のほか、道路や配管といったインフラへの二次的な影響も含んだ数字とみられる。オランダは国土の大部分が海面以下または低湿地帯に位置しており、建物の基礎は古くから木製杭に依存してきた。この木杭が地下水位の低下や乾燥によって腐朽すると、建物全体がゆっくりと沈下・傾斜するという構造的な問題が生じる。都市部だけでなく、地方の古い住宅地でも同様の現象が報告されており、被害は広範囲に及ぶ。
「土地の扱い方を根本的に変える必要がある」
専門家はこの問題を単なる建築上のトラブルと見なすべきではないと強調する。「Anders omgaan met de grond is noodzakelijk(土地の扱い方を根本的に変えることが不可欠だ)」という言葉が示すように、地下水管理や都市開発の方針そのものを見直す必要があるという立場だ。農業用排水や都市化に伴う地下水位の低下が地盤沈下を加速させており、気候変動による乾燥化が今後さらに状況を悪化させるリスクも指摘されている。行政レベルでの包括的な対応策と、建物所有者個人への情報提供・支援の両立が求められている。
在蘭日本人への影響と注意点
この問題はオランダに暮らす日本人にとっても無縁ではない。住宅を購入する際はもちろん、賃貸物件を選ぶ際にも、建物の基礎状態(fundering)を確認することが重要になってくる。特に築年数の古い一戸建てや連棟住宅(rijtjeshuis)では、基礎の調査報告書(funderingsrapport)の有無を不動産エージェントに確認することが望ましい。また、自治体によっては基礎補修に対する補助金制度を設けているケースもあるため、居住地の市(gemeente)の窓口や公式サイトで最新情報を確認しておきたい。地盤沈下は一朝一夕には解決しない長期的な課題だが、早期の情報収集と適切な対応が、将来的な大きな損失を防ぐ第一歩となる。
広告掲載にご興味のある方は こちら
情報源: NU.nl


/https://content.production.cdn.art19.com/images/b3/bd/f0/b7/b3bdf0b7-c622-4246-883c-b19fee3cc144/361b801b9f3506ed842f99b78c30fbfab250524f7eaf97a45b2d899b828f7f79a4733433e1f9bfc524ba50226ecf25c9e03758127269897fd6b71bb83cbcb5bd.jpeg)
