50万世帯がエネルギー代を毎月払えない――オランダで広がる「エネルギー貧困」
TNO・CBS調査が示す、低所得層を直撃するエネルギー高騰の実態
オランダで「エネルギー貧困」とも呼べる状況が静かに広がっている。TNO(オランダ応用科学研究機構)とCBS(統計局)が共同で行った調査によると、約50万世帯が毎月のエネルギー代を支払えない状態にある。光熱費の高騰が続くなか、家計が追いつかない世帯が着実に増えている実態が、データによって裏付けられた形だ。
月50ユーロ以上の赤字が常態化
調査が明らかにしたのは、単に「支払いが苦しい」という感覚的な話ではない。該当する世帯の大半では、毎月50ユーロ以上がエネルギー代だけで不足しているという。年間に換算すれば600ユーロを超える慢性的な赤字であり、貯蓄の切り崩しや他の生活費の削減を余儀なくされているケースも少なくないとみられる。さらに深刻なのは、低所得でありながらエネルギー料金の負担が特に重い世帯の数が増加傾向にある点だ。この層は、節約の余地も乏しく、行政支援がなければ状況の改善が難しい。
エネルギー価格高騰が低所得層を直撃
背景にあるのは、近年のエネルギー価格の急騰だ。ロシアによるウクライナ侵攻以降、欧州全体でガスや電力の価格が大幅に上昇し、オランダも例外ではない。政府はエネルギー価格上限制度などの緩衝措置を講じてきたが、それでも家計への影響を完全には吸収しきれていない。特に、住宅の断熱性能が低い賃貸物件に住む低所得層は、高いエネルギー消費量と高騰した単価のダブルパンチを受けやすい構造になっている。TNOとCBSの調査は、こうした構造的な問題を数字で可視化したものといえる。
在蘭日本人にとっての意味
在蘭日本人にとっても、エネルギー代の家計圧迫は他人事ではない。特に古い住宅に住んでいる場合、暖房効率が低く光熱費が想定以上にかさむことがある。エネルギー契約の見直しや、自治体が提供する省エネ補助金の活用を検討する価値は十分にある。また、今回の調査が示す社会的な広がりは、オランダ政府が今後どのような支援策を打ち出すかという政策論議にも直結する。低所得世帯向けの給付制度や料金補填の動向は、引き続き注目しておきたい。
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情報源: NU.nl




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