電力網はサイバー攻撃に脆弱――専門家「問題は『いつ』起きるかだ」
家庭の太陽光パネルも標的に、大規模停電のリスクが現実味を帯びる
オランダの電力インフラがサイバー攻撃の標的となるリスクが、専門家の間で深刻な懸念として高まっている。「攻撃が起きるかどうかではなく、いつ起きるかの問題だ」――こうした表現が専門家の口から出るほど、事態は切迫したものとして受け止められている。エネルギー転換が進み、電力システムがデジタル化・分散化するにつれ、攻撃者が狙える「入口」は以前に比べて格段に増えているという。
大規模施設だけでなく、家庭も攻撃対象に
これまでサイバー攻撃の対象として想定されてきたのは、主に大規模な発電所や送配電を管理する基幹インフラだった。しかし専門家が今とりわけ注目するのは、急速に普及している家庭用の太陽光パネルや蓄電池だ。これらは個々の出力こそ小さいが、数十万世帯分が同時に制御を乗っ取られた場合、電力網全体のバランスが崩れ、大規模な停電を引き起こす可能性がある。オランダでは再生可能エネルギーの普及が急ピッチで進んでおり、その恩恵の裏側にある脆弱性が浮き彫りになっている。
「ロシアにとって非常に興味深い標的」
地政学的な文脈でも、この問題は無視できない。専門家は「オランダの電力網はロシアにとって非常に興味深い標的だ」と明言しており、ウクライナ侵攻以降、欧州のエネルギーインフラへの攻撃リスクが一段と高まっているとの見方を示している。実際、ウクライナでは電力網へのサイバー攻撃が繰り返されており、欧州各国の当局もその教訓を自国のインフラ防衛に活かそうとしている。最悪のシナリオは、広域にわたる長時間停電であり、医療機関や通信、交通など社会インフラ全般への連鎖的な影響が懸念される。
在蘭日本人生活への影響と備え
オランダに暮らす日本人にとっても、この問題は対岸の火事ではない。自宅に太陽光パネルや蓄電池を設置している場合、それ自体がリスクの一部を担う可能性があることを認識しておく必要がある。また、大規模停電が発生した際の備え――懐中電灯や予備の飲料水、モバイルバッテリーの確保といった基本的な対策――を今一度見直しておくことが現実的な対応といえるだろう。エネルギーの「便利さ」と「脆弱性」は表裏一体であり、デジタル化が進む社会においてサイバーセキュリティは一般市民にとっても無縁ではなくなっている。
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情報源: NU.nl



