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麻薬カルテルが大西洋に「コカイン高速道路」構築、欧州各国に共同パトロール要請
社会 読了 2分

麻薬カルテルが大西洋に「コカイン高速道路」構築、欧州各国に共同パトロール要請

専用スピードボート「ナルコランチャ」が時速130kmで欧州を直撃、オランダも対応検討へ

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南米の麻薬カルテルが、大西洋上に新たな密輸インフラを構築しつつある。ポルトガル領マデイラ島を中心に、アゾレス諸島からカナリア諸島、スペイン・ポルトガル沿岸にいたる広大な海域が、コカイン輸送の「高速道路」と化している。NRCがNDR・WDR・南ドイツ新聞などと共同で入手した内部文書は、その脅威の規模と深刻さを浮き彫りにした。

「ナルコランチャ」が形成する洋上の密輸網

この密輸網の中核を担うのが、「ナルコランチャ」と呼ばれる専用スピードボートだ。巨大なヤマハ製船外機を4基以上搭載し、時速最大130キロで洋上を疾走する。燃料消費は1基あたり毎時50〜60リットルに達するため、船体には大量のジェリカンが積み込まれる。船外機1基の価格は3万5,000〜4万ユーロといい、カルテルの資金力を裏付ける。

最初のナルコランチャが確認されたのは2017年のことで、その数はわずか4隻だった。だが急速に増殖し、欧州麻薬密輸対策機関(MAOC-N)に派遣されているイタリア麻薬当局のルカ・パリッリ大佐によれば、「2025年だけで85隻が捜査対象となった」。現在は数百隻が大西洋上で活動しているとされる。フランスの麻薬捜査機関Ofastのディミトリ・ズーラス本部長はその光景をこう表現する。「マッドマックスのようだが、舞台は水の上だ」。

フランス海軍が「初の海上射撃」、欧州に共同対応を呼びかけ

2025年10月18日早朝、フランス海軍のヘリコプターからスナイパーがナルコランチャに向けて発砲した。マデイラ島南方の公海上で展開されたこの「ガルゴ作戦」は、フランス海軍が領海外で麻薬密輸業者に対して初めて武力を行使した事例となった。作戦の結果、コカイン2,300キロを押収し、容疑者5人を逮捕した。

MAOC-Nが加盟各国に発出した機密文書「コール・トゥ・アクション」は、この脅威の規模を数字で示している。2025年に大西洋ルート経由で西欧に持ち込まれたコカインは推計80万キロ、卸売価格にして100〜150億ユーロ相当に上る。洋上で押収できたのはそのうち7万キロ強にすぎない。フランスはこの現状を打開するため、2008年から続くソマリア沖の海賊対策ミッションに倣い、複数の欧州諸国による大西洋上での常設パトロール体制の構築を提案している。

オランダへの影響と今後の焦点

オランダはMAOC-Nの加盟国であり、Europol欧州重大組織犯罪センター所長を務めるアンディ・クラーフ氏もオランダ人だ。司法安全省の報道官は、フランスの分析を「重要な課題として認識している」と認めつつ、共同パトロールへの正式な参加要請はまだ受けていないとした。要請があれば「慎重に検討する」とし、法的根拠や武力行使指針、装備の可用性といった条件を精査する考えを示している。

コカインの最終的な上陸地点がスペインやポルトガルであっても、その大量供給はオランダを含む西欧全体の薬物市場と治安に直結する。アムステルダム港が欧州最大のコカイン流入拠点の一つであることを踏まえれば、大西洋上の取り締まり体制の強化はオランダにとっても無縁ではない。フランスの呼びかけに対し、オランダがどのような立場を示すかが今後の焦点となる。

情報源: NRC

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