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ナインチェが街を彩る:5万基の変電ボックスを芸術に変える試み
社会 読了 2分

ナインチェが街を彩る:5万基の変電ボックスを芸術に変える試み

景観問題と電力拡張の狭間で、各地が模索する「美しいインフラ」とは

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電力網の拡張に伴い、オランダ各地の路上や公共スペースに変電ボックス(トラフォハイスヘ)が急増している。灰色の無骨な箱が突然、住宅街の一角や教会の前に現れる——そうした光景が住民の反発を招いてきた。しかしエネルギー転換が待ったなしで進む中、ネット管理会社と自治体は「受け入れてもらうための工夫」に知恵を絞り始めている。

ユトレヒト発、住民参加のデザインコンテスト

ユトレヒト市は今年、変電ボックスの外観デザインを住民から公募するコンテストを開催した。寄せられたアイデアは39点。「ミッフィー(ナインチェ)の各キャラクターにそれぞれ一棟を」という提案や、水槽で囲む「アクアリウム案」、熱帯植物で覆う「ジャングル案」など多彩なアイデアが集まった。デザイナーたちはこれらを参考に、ネット管理会社ステディンの安全基準と実現可能性を踏まえた作品に仕上げ、審査委員会が今週三作品を選出した。審査委員は「エネルギー転換にユトレヒトらしい顔を与える作品」と評価している。ナインチェのモチーフや植物をあしらったデザインは、2027年から2030年にかけて市内各所に順次設置される予定だ。

バールンではエッシャーが変電所を飾る

一方、アムステルダム南東に位置するバールン市では、2020年にパウルス教会前に突如設置された変電ボックスが「醜い」と住民の怒りを買った出来事が発端となった。元副市長のマルク・エイバールト氏によれば、6年が経った今もその箱は同じ場所に立ち続けているが、周囲に緑が植えられ、住民も徐々に慣れてきたという。同氏は当時の経験から、設置場所の選択肢が地下ケーブルの位置によって極めて限られていることを実感したと語る。「バールンでは多くの場合、候補地は一か所か、せいぜい二か所しかない」。そこで同市が打ち出したのが、1941年から1970年まで在住した版画家M・C・エッシャーのスタイルで箱を装飾する計画だ。実現時期はまだ未定だが、地域の文化的アイデンティティと景観問題を同時に解決しようという発想が注目を集めている。

電力危機という現実、街区ごとの一括整備へ

こうした美化の取り組みの背景には、深刻な電力網の逼迫がある。2040年までに全国で約5万基の変電ボックスが追加で必要とされており、設置を避けることはできない。ユトレヒト州では今年7月1日から大部分の地域で新規接続の停止措置が取られており、より大容量の接続を求める申請は待機リストに積み上がっている。また変電ボックスの増設には太いケーブルの敷設も伴うため、約3分の1の街路が掘り返される見通しだ。こうした工事の混乱を最小化するため、ネット管理会社リアンダーは「街区ごとに一括で将来対応できる状態に整備する」方針を打ち出している。アート化と一括整備という二つの戦略が、住民の理解を得るカギとなりそうだ。在蘭日本人にとっても、居住エリアの道路工事や新たな構造物の出現は身近な問題となりうる。自治体のデザインコンテストや説明会に注目しておくと、街の変化をいち早くつかめるだろう。

情報源: NOS Algemeen

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