タタ・スチール刑事訴追——最大6億ユーロの罰金と経営幹部への禁固刑リスク
オランダ最大の汚染企業、初の刑事手続きで問われる代償
オランダ最大の汚染企業とされるタタ・スチール(IJ地区・アイモンド)が今週、初めて刑事手続きの対象となった。同社はこれまでも民事訴訟を繰り返し経験してきたが、刑事事件として立件されるのは今回が初めてだ。法律専門家たちはNOSの取材に対し、有罪となった場合の影響は「極めて大きい」と口をそろえる。
「天文学的」罰金と不当利益の没収
ライデン大学で環境法を研究するスホールト・ロピック弁護士によれば、刑事有罪の場合に科せられる罰金の上限は、タタ・スチール・ネーデルランドの年間売上高の最大10%、約6億ユーロに達する。ロピック氏はこれを「天文学的」と表現しつつも、「実際には大幅に低い水準に落ち着くことが多い」と付け加える。ただし、規則を守らないことで得た利益に対して罰金が釣り合わないという批判が常につきまとっており、裁判官がその批判を量刑に反映させる可能性もあるという。
罰金だけではない。ユトレヒト大学のヨープ・リンデマン刑事訴訟法教授は、同社が環境対策への投資義務を怠ることで節約したコストが「犯罪収益」とみなされる可能性を指摘する。「もしタタがそのような形で資金を節約していたとすれば、裁判官はそれを犯罪的な利益と見なし、検察庁への支払いを命じることができる」とリンデマン教授は述べた。周辺住民への損害賠償や、最終手段としての工場操業停止も法的な選択肢として残る。
経営幹部個人への刑事責任
検察は今後、個人としての役員・幹部の訴追を検討する方針だ。排出汚染が死者につながったと立証できた場合、最長15年の禁固刑が理論上は可能となる。ただしそのためには、まず同社が刑事法上の違反を犯したことを証明し、さらに特定の幹部個人が違反を防げたはずだという因果関係を示す必要があり、専門家は「実務上の立証は困難」と口をそろえる。
仮に有罪となった場合でも、長期の実刑判決に至るケースはオランダの判例では極めてまれだという。「短期または執行猶予付き禁固刑、あるいは社会奉仕命令(タクストラフ)が科されることが多い」とリンデマン教授は語る。オランダ更生保護機関(レクラセーリング・ネーデルランド)の広報担当者によれば、社会奉仕の内容は生け垣の剪定からフードバンクや動物シェルターでの活動まで多岐にわたり、「社会に何かを還元させながら再犯を防ぐ」という目的がある。
20億ユーロ補助金にも波及するリスク
今回の刑事訴追が特に注目される背景には、同社が政府に申請している20億ユーロの環境対応補助金の問題がある。昨年締結された意向書には、「国家に重大な懸念を生じさせる刑事捜査が始まった場合、政府は直ちに合意を撤回できる」との条項が盛り込まれている。オランダ内閣は今週、補助金交付が依然として可能だという立場を示しつつ、9月に改めて判断を行うと表明した。
専門家は、たとえ刑事訴追の結果がどうあれ、「訴追そのものが巨大なレピュテーション上のダメージになる」と警告する。ロピック弁護士は「補助金の審査プロセスに確実に悪影響を及ぼし得る」と述べた。正式な起訴内容の詳細は11月に検察が発表する予定で、在蘭日本人を含む周辺住民や環境活動家が注目するマイルストーンとなる。アイモンド地域に暮らす住民にとって、今後の法廷での判断が工場の操業形態や地域の大気環境に直結する可能性があるだけに、今後の展開から目が離せない。
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情報源: NOS Algemeen



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