ユトレヒトの「魚のドアベル」今季終了——米国を筆頭に世界90万人が視聴
6年目のシーズンは過去最多12種類の魚を確認、水質改善も後押し
ユトレヒト市のウェールト水門に設置されたユニークな装置「魚のドアベル(Visdeurbel)」の今春シーズンが幕を閉じた。市が発表した集計によると、3月から6月にかけてのライブ配信は延べ1200万回、約90万人に視聴された。視聴者がドアベルを押した回数は22万回にのぼり、6年連続の開催となった今季も世界中から注目を集めた。
仕組みと世界的な人気の背景
この装置はシンプルな発想から生まれた。春になると、ユトレヒトの運河を泳ぐ魚たちは産卵のためクロメ・レイン川を目指すが、途中の水門がいわば「壁」となってしまう。カメラを水門付近に設置してライブ配信し、魚を見かけた視聴者がウェブサイト上の「ドアベル」を押すと、撮影スクリーンショットが市のデータベースへ送信される仕組みだ。エコロジストが定期的に画像を確認し、水門内に多くの魚が滞留していると判断した場合は、港湾サービスに連絡して水門を開放する。なお水門は報告の有無にかかわらず、週に数回は自動的に開けられる。
今季の視聴者を地域別に見ると、最多は米国で、オランダ、ドイツ、そしてポーランドの約8万人がこれに続いた。米国での人気急上昇の背景には、昨年アメリカのコメディアン、ジョン・オリバーがテレビ番組でこの取り組みを紹介したことがあるとされる。担当のリンダ・フォールトマン市議会議員(環境・動物福祉担当)は「6年連続でドアベルはユトレヒトを象徴するだけでなく、その名声は世界へと広がり、もはや欠かせない存在となっている」と語った。
過去最多の魚種を確認、水質改善も寄与
今季特筆すべきは、確認された魚の種類の豊富さだ。シーズン序盤の数週間だけで12種類が記録され、希少種のダンリップハーダー(薄唇ボラ)やパーチ(スズキの一種)、ブリーム(コイ科のブラックバス類)、さらにはクルースカルパー(マゴイ)の可能性がある個体も確認された。市はこれを「これまでで最も驚きのあるシーズン」と評価しており、水質の改善と今春の水温が比較的早く上昇したことが多様な魚種の遡上を促したと分析している。
在蘭の日本人にとって、この取り組みはオランダならではの市民参加型の環境保全モデルとして興味深い。特別な専門知識がなくても、スマートフォンひとつで都市の生態系保護に貢献できる点は、デジタルと自然の融合を上手く体現している。来春のシーズン再開時には、ユトレヒトを訪れた際にライブ配信を覗いてみてはいかがだろうか。
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情報源: NOS Algemeen



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