蘭仮想通貨取引所Knakenに破産申請——顧客3万人の資産、宙に浮く
AFMライセンス取得失敗、FIOD捜査も進行中
ロッテルダムを拠点とする仮想通貨取引プラットフォーム「Knaken」が、オランダ検察庁(OM)による破産申請という事態に追い込まれた。同社は今月初めにサービスを突如停止しており、約3万人の顧客が自身のビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨資産にアクセスできない状態が続いている。検察庁の広報担当者は「公益上の観点から破産申請に踏み切った」と説明しており、裁判所が破産を認定すれば、清算人(キュレーター)が残存資産を調査し、顧客への返還が可能かどうかを検討することになる。
ライセンス取得失敗が引き金に
サービス停止の直接の原因は、EUが導入した新たな仮想通貨規制への対応失敗だ。この規制のもとでは、オランダ金融市場庁(AFM)からライセンスを取得することが営業の必須条件となったが、Knakenはそのライセンスを取得できなかった。同社は6月初旬に「顧客との精算方法を現在検討中」とのメッセージを発表したが、その後、顧客への支払いを実質的に停止。検察庁はこの対応について「適切に進んでいない」と強い懸念を表明している。なお、2024年度の決算報告書においてKnaken自身が「財務的に脆弱な状況にある」と記載していたことも明らかになっており、経営の不安定さは以前から指摘されていた。
刑事捜査も並行して進行
民事上の破産手続きと並行して、財務犯罪捜査機関FIOD(財政情報調査局)も捜査に乗り出している。FIODは刑事上の違法行為が行われた可能性を調査しており、関連施設への家宅捜索を実施。ノートパソコンや携帯電話などの電子機器が押収されたほか、会社の資産にも差し押さえが行われた。現時点で逮捕者は出ていないが、捜査は継続中だ。
Knakenはエールディビジ(オランダ1部リーグ)のスポンサーとして広く名が知られていた企業でもある。アヤックス、スパルタ・ロッテルダム、フェイエノールトといったクラブとスポンサー契約を結んでいたが、アヤックスはわずか2か月でライバル企業との契約に切り替え、フェイエノールトとの提携も昨年すでに終了していた。
在蘭日本人への影響と今後の注目点
仮想通貨を投資・資産保全の手段として活用している在蘭日本人にとって、本件は対岸の火事とは言えない。破産手続きが正式に認められた場合、清算人が資産回収を試みることになるが、顧客への実際の返還額や時期は現時点では不透明だ。また、EU全体の仮想通貨規制(MiCA規制)の本格施行に伴い、ライセンスを持たない事業者の淘汰が今後も続く可能性がある。利用中のプラットフォームがAFMまたは各国規制当局のライセンスを取得しているかどうかを確認することが、これまで以上に重要になっている。
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情報源: NOS Algemeen
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