ロシアから米国へ——オランダのエネルギー依存はどこへ向かうのか
ウクライナ戦争を機に加速した「脱ロシア」の代償
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻は、ヨーロッパ全体のエネルギー政策を根底から揺さぶった。オランダも例外ではなく、それまで深く依存していたロシア産の天然ガスや石油から急速に距離を置くことになった。NU.nlの報道によれば、この転換は数字の上でも明確に表れており、ロシア産エネルギーへの依存度はウクライナ戦争以降、顕著に低下している。
「脱ロシア」の成果と、その穴を埋めたもの
エネルギー安全保障の観点から見れば、ロシアへの依存縮小はオランダが長年抱えていた地政学的リスクの軽減を意味する。しかしその空白を埋めたのは、再生可能エネルギーや国内生産の拡大ではなかった。現在、米国がオランダにとって最大の海外エネルギー供給国となっており、液化天然ガス(LNG)を中心とした米国産エネルギーへの依存が急速に高まっている。ロッテルダム港を擁するオランダは欧州のエネルギー中継拠点としての役割も担っており、米国産LNGの受け入れは国内需要にとどまらず、近隣諸国への再輸出にも及ぶ。
依存先が変わっても「依存」は続く
問題の本質は、依存そのものが解消されたわけではないという点だ。ロシアという権威主義的な国家への依存リスクを避けることには成功したが、今度は米国の政策動向や輸出戦略に左右される構造が生まれている。米国のエネルギー輸出政策は政権交代によって変化しうるものであり、貿易摩擦や外交的緊張が生じた場合の影響は無視できない。欧州全体でエネルギー調達先の多様化が叫ばれるなか、オランダが一国への集中を再び深めていることは、政策立案者にとっても懸念材料となりうる。
在蘭日本人への影響と今後の注目点
エネルギー価格は光熱費に直結するため、調達構造の変化は家庭の生活コストにも波及する。ロシア産エネルギーの停止直後には電気・ガス料金が急騰し、多くの在蘭日本人も家計への影響を実感した経緯がある。現在は価格が一定程度落ち着いているものの、米国との関係が不安定化した場合の供給リスクは依然として存在する。オランダ政府が再生可能エネルギーへの移行やノルウェーなど複数国からの調達多様化をどのように進めるかが、今後のエネルギー価格の安定を左右する鍵となりそうだ。
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情報源: NU.nl
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