AIが職を奪う一方、ヴィンテージ店員や左官が急浮上——オランダの求人市場2025
UWVが発表した「有望職種リスト」に見る、雇用市場の光と影
オランダの雇用市場は、求人数が求職者数を上回る「人手不足」の状態を依然として維持している。雇用給付機関UWVが毎年公表している有望職種リストの最新版では、ヴィンテージショップ店員、左官職人、債務支援相談員が新たに加わった。一方で、AI(人工知能)の普及が広告業やカスタマーサービス分野の雇用を着実に侵食しており、労働市場の二極化が鮮明になっている。
緩みつつも続く人手不足
UWVの労働市場アドバイザーであるステフ・モレマ氏は「コロナ禍明けの2023年は、かつてないほどの人手不足だった。ここ数年でやや緩和されたが、総じて依然として求人超過の状態だ」と述べる。業種や職種によって就職機会の格差は大きく、UWVは直近数か月の求人データを分析し、需要の高い職種とそうでない職種を毎年リスト化している。建設・交通・医療・飲食の4業種では慢性的な人手不足が続いており、今後もこの傾向が継続すると見込まれている。
AIが奪う仕事、社会変化が生む仕事
雇用市場に影響を与える要因として、AIの台頭は無視できない。昨年はグラフィックデザイナー、翻訳者、コピーライターの就職機会が減少したが、今年はさらに広告業界全般とカスタマーサービス職がリストに加わった。チャットボットが人手に取って代わるケースが増えており、モレマ氏は「こうした職種でのキャリア形成は勧められない。AIのさらなる発展により、将来的な就職機会は厳しくなる一方だ」と警告する。ただし同氏は、AIが労働市場全体の人手不足を解消するほどの影響力を持つとは考えていない。
一方、社会的変化が新たな雇用を生み出している側面もある。新築住宅の増加、送電網の拡張、老朽化した橋や道路の補修需要の高まりを背景に、左官職人や道路建設機械オペレーター、建設補助員といった職種の需要が拡大している。また、コロナ禍に多くの人がペットを迎えたことで獣医や動物関連店が繁忙期を迎えており、獣医助手の就職機会も広がっているとUWVは指摘する。さらに、家計の悪化に伴う債務問題の増加を背景に、債務支援相談員の不足も深刻化している。
在蘭日本人への示唆
ヴィンテージショップ店員がリスト入りした背景には、中古・リユース市場の急成長がある。「ヴィンテージストアがいたるところに出店している。古着や中古品の販売スタッフには好機だ」とモレマ氏は語る。翻訳やコピーライティングなどAIと競合しやすい職種はリスクが高まっており、オランダで就労を検討している日本人にとっても、職種選びの判断材料となるデータだ。医療・介護や建設といった対人・現場系の職種は引き続き安定した需要が見込まれ、語学ハードルを越えれば選択肢として十分に視野に入る。
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情報源: NOS Algemeen
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