エネルギー危機で30万世帯が深刻な打撃——CPBが購買力低下を警告
低所得者層で最大6%の購買力損失、政府は緊急基金と省エネ支援で対応
オランダ中央計画局(CPB)が公表した調査によると、現在のエネルギー危機によって約30万世帯が平均を大幅に上回る影響を受ける見通しだ。低所得者層では最大6%の購買力低下が生じる可能性があるとされ、平均的なオランダ人の購買力損失が今年・来年とも1%未満にとどまると予測されるのとは対照的な数字となっている。
誰が最も打撃を受けるか
特に影響が大きいとされるのは、断熱性の低い大きな住宅に住む低所得者層だ。こうした世帯は高いガス代の直撃を受けやすく、収入に占めるエネルギー費の割合がもともと高いため、価格上昇の影響が相対的に増幅される。また、低所得にもかかわらず長距離通勤を余儀なくされている人々も、ガソリン・ディーゼル価格の高騰により収入の大きな部分を失うリスクがある。
一方で、CPBは燃料に対する一律の消費税(アクシンス)引き下げには否定的な立場を示している。こうした措置は、実際に支援を必要とする限られた層を救うために「不釣り合いに多くのコスト」がかかるとCPBは指摘する。オランダ政府も同様の判断から一律減税には踏み切らず、通勤費の税控除拡充や7月1日以降の事業者向け自動車税引き下げといった限定的な措置にとどめた。CPBが代替案として注目するのが「ソーシャル・リース」制度だ。低所得者が小型電気自動車のプライベートリース契約を割引価格で利用できる仕組みで、フランスではすでに導入されている。
政府の対応策と長期的な展望
政府は短期的な支援策として、エネルギー費の高騰で困窮した世帯が支援を申請できる「緊急エネルギー基金(Tijdelijk Noodfonds Energie)」に1億9500万ユーロを追加投入する方針を示している。また、持ち家所有者が自宅の省エネ改修ローンを組めるWarmtefonds(暖房基金)にも1億8000万ユーロの追加拠出を決めた。Warmtefondsのローンはほぼ無利子で利用でき、断熱改修などによりガス使用量を削減することが可能だ。
CPBは長期的な解決策として、住宅の省エネ化こそが低所得者層のエネルギーコストを抑える最も有効な手段だと結論づけている。今回の危機の影響が2022年のエネルギー危機より小さいのも、その間に省エネ対応住宅が大幅に増えたことが一因とされる。なお、今回のCPB調査はガス・ガソリン・ディーゼルの直接的なコスト上昇のみを対象としており、エネルギーコスト増に伴う食料品や各種製品の価格上昇といった間接的な影響は含まれていない。完全な購買力の全体像は8月にCPBが発表し、プリンスヘスダフ(予算デー)に向けた政府計画の一部として公表される予定だ。
在蘭日本人にとっても、固定エネルギー契約の更新時期やガソリン代の負担増は身近な問題だ。Warmtefondsの省エネローンは持ち家所有者であれば外国籍でも利用できる可能性があり、住宅の断熱性向上を検討している方は最新情報を確認しておく価値があるだろう。
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情報源: NOS Algemeen
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