エネルギー高騰でオランダの雇用成長が鈍化へ——UWVが2028年見通しを公表
楽観シナリオとの差は最大75,000件、地域格差も鮮明に
中東情勢の長期化を受けてエネルギー価格が世界的に上昇するなか、オランダの雇用保険機構UWV(ウーフェーフェー)は最新の労働市場予測を公表した。高エネルギー価格が続いた場合、2028年までの雇用増加数は楽観シナリオと比べて最大75,000件少なくなると試算している。雇用がゼロになるわけではなく、増加ペースが大幅に鈍化するという見立てだ。
打撃を受けやすいセクターと地域
UWVの労働市場情報・アドバイス部門長ロブ・ウィチェスは、「世界の先行き不透明感が増すなか、企業はより慎重な姿勢を取るようになっている」と述べる。イスラエルと米国が2月にイランを攻撃して以降、エネルギー価格は急騰しており、影響が最も大きいのは製造業、運輸・物流、そして派遣業だ。派遣労働者の多くが輸送や製造の現場で働いているためで、ウィチェス氏は「これらの業種を通じて波及する形で、派遣業も大きく影響を受ける」と説明する。さらに、エネルギー高が物価上昇と購買力低下を招くことで、飲食・ホテル業にも二次的な打撃が及ぶ見込みだ。
地域格差も鮮明になっている。アムステルダムとアイントホーフェン周辺では引き続き雇用が伸びると見込まれる一方、ミデン・リンブルフ、ゼーラント、ドレンテの各地域では高エネルギー価格が続いた場合、わずかながら雇用が減少に転じる可能性が指摘されている。
影響を受けにくい分野とスキル投資の重要性
一方で、医療・ICT・会計や法務などの専門的ビジネスサービスは、エネルギー価格の影響を比較的受けにくく、求人増が続くとUWVは見ている。高齢化による医療需要の拡大は今後も続くため、介護・医療分野の労働需要は構造的に増し続ける見通しだ。また、製造業など他分野の成長が鈍化することで、専門サービス部門への人材移動が加速する可能性もあるとウィチェス氏は指摘する。
「エネルギー価格が早期に下落すれば、2028年には雇用成長も回復する」とウィチェス氏は強調し、今回の鈍化はあくまで一時的なものだとの見方を示す。ただし、その前提は「2028年時点で戦争が終結していること」であり、情勢次第で見通しは大きく変わりえる。
在蘭日本人にとっての視点
UWVはこうした不透明な状況だからこそ、企業・労働者・求職者がスキル投資を怠らないよう訴えている。「労働市場の人手不足は自然には解消されない。自己研鑽を続けてほしい」とウィチェス氏は言う。とりわけAIをはじめとする新技術の台頭が新たな職種を生む一方、求められる能力や資格も変化する。オランダで働く日本人にとっても、語学・デジタルスキル・専門資格の継続的なアップデートは、雇用の安定を守るうえでますます重要になっている。
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情報源: NOS Algemeen
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