ASMLがマスク氏を社内会議に招待、従業員の反発でボイコット示唆も
ヨーロッパ最重要企業の内部で広がる「プラットフォームを与えるな」の声
ヨーロッパで最も時価総額の高い企業のひとつ、オランダの半導体製造装置大手ASMLが、デン・ボスで開催する社内会議にイーロン・マスク氏をビデオ接続で招くと明らかになり、社内に波紋が広がっている。地元紙アイントホーフェンス・ダーフブラットが報じたもので、一部の従業員はイベントそのものや、少なくともマスク氏の登壇セッションをボイコットすると表明した。
「プラットフォームを与えるな」——社内で批判が噴出
マスク氏の招待が社内に伝わった週末、ASMLの社内コミュニケーションプラットフォーム「Viva Engage」には批判的な書き込みが相次いだ。従業員たちが問題視したのは、マスク氏の米国における政治活動、反欧州的な発言、トランスジェンダーをめぐるコメント、そして「ナチズムへの共感」と形容される一連の言動だ。今年3月には、マスク氏が手がけるAIサービス「Grok」のアンドレス画像生成機能について、アムステルダムの裁判所が差し止め命令を出した経緯もある。ASMLは「Viva Engage上の議論はバランスが取れたものだ」としながらも、従業員が自由に意見を表明できることを確認し、職場での相互尊重へのコミットメントを改めて強調した。
招待の背景にある「Terafab」構想
今回の招待には明確なビジネス上の文脈がある。マスク氏はテキサス州に「Terafab」と呼ばれるチップ「メガファクトリー」の建設計画を持っており、その実現にはASMLの最先端露光装置が不可欠とされる。会議ではマスク氏がASMLのCEO、クリストフ・フーケ氏とビデオ対談形式で登場し、AI、ロボティクス、宇宙開発、半導体製造をテーマに議論する予定だ。ASMLの顧客でもある米インテルもこのプロジェクトに関与しているという。
拡張計画が進むASMLにとっての試金石
ASMLはアイントホーフェン近郊のフェルドホーフェンに本社を置き、周辺地域に2万件の雇用創出が見込まれるキャンパス拡張計画がこのほど承認されたばかりだ。企業としての成長軌道が加速する一方、今回の騒動は、グローバルに影響力を持つ経営者との関係構築が従業員の価値観や倫理観とどう折り合いをつけるかという、現代の大企業が直面する難題を浮き彫りにした。在蘭日本人を含む多様な国籍の従業員を抱えるASMLにとって、社内の対話をいかに維持するかが問われる局面となっている。
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情報源: DutchNews
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