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銀行の「店舗」は生き残れるか——オランダで500店を割り込んだ現場から
経済 読了 2分

銀行の「店舗」は生き残れるか——オランダで500店を割り込んだ現場から

15年で2,000店から500店未満へ、それでも"信頼の拠点"は消えない

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オランダの銀行店舗が急速に姿を消している。ING、Rabobank、ABN Amro、ASN Bankの大手4行を合計しても、現在の店舗数は500店を下回る。15年前には約2,000店が全国に点在していたことを考えると、その激減ぶりは際立つ。昨年だけでASN銀行が拠点の半数を閉鎖し、一気に約300店が消えた。多くの顧客はスマートフォンのアプリで口座管理、カードの停止・申請、投資口座の開設まで済ませられる時代になり、店舗に足を運ぶ理由を見つける方が難しくなった。

それでも「閉鎖一辺倒」ではなくなってきた

ところが最近の動向を見ると、単純な縮小路線とも言い切れない。ABN Amroはアイントホーフェンに新店舗を開設した。同行の全国店舗数は26店とすでに最少水準にあるが、それでも増やす判断をした。ING は残存店舗の内装を刷新・環境配慮型にリニューアルし、コロナ禍の急激な閉鎖ラッシュ後は大手3行で下げ止まりの兆しが出ている。

この背景にあるのが「信頼」の問題だ。オランダ中央銀行(DNB)が昨年公表したワーキングペーパーは、店舗の近さと自行および銀行セクター全体への信頼感の間に一定の相関があることを示した。短期間に立て続けに閉鎖すると、顧客の信頼度がわずかながら低下するという。コンサルティング大手アクセンチュアも同様の調査を繰り返し行っており、「AIが主導する世界においても、物理的な銀行は信頼性をもたらし、ブランドを強化する」と結論付けている。口座を開設する際、回答者の3分の2が「近くに物理的な場所があること」を望んだという。実際に足を踏み入れなくてもいい——「そこに看板がある」という安心感そのものが価値を持つわけだ。

変わる店舗の役割、変わる「呼び名」まで

実際に店舗の機能は大きく様変わりしている。現金の引き出しはGeldmaatに移管され、窓口では行わない。デジタルバンキングの操作サポートも、電話や図書館での講座に誘導されるケースが増えた。店舗に残るスタッフの主な仕事は、法人顧客との地域密着型の相談対応か、個人顧客向けのビデオ・電話会議だ。来店客はむしろ「例外」となり、予約が前提になっている。ABN Amroはバスを購入して移動店舗として各地を回る取り組みも始めた。

興味深いのは「呼び名」の変化だ。INGは店舗を「ハウス」と呼び、SNSはかつて「ショップ」と称した。先週、初の物理拠点をバルセロナに開設することを発表したオンライン特化の金融サービスRevolutは、「従来の銀行窓口ではなく、非常に目立つ没入型スペース」と表現し、「フィンテックをより身近にし、顧客との直接的な接点を通じて信頼を構築するのが目的だ」と説明している。デジタルネイティブの企業が物理的な拠点に活路を求めるこの逆説は、店舗の存在意義が「取引の場」から「信頼の象徴」へと移行していることを端的に示している。

在蘭日本人にとっても、住宅購入や資産運用など人生の節目にかかわる相談は、アプリだけでは完結しにくい場面がある。銀行各行は若い顧客層ほど対面での相談ニーズが高いと口をそろえており、店舗が「ブランドの顔」として最低限の数を維持していく方向性は、しばらく続きそうだ。

情報源: NRC

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