オランダで仕事を探す:契約・権利・CVの基礎知識
求職競争が激化するいま、外国人が知っておくべき現地の常識
オランダの失業率は約4%と比較的安定しており、IT・医療・物流・観光など複数の分野で人材需要が続いている。一方、多国籍採用に強い人材紹介会社Undutchablesに所属し、自身も国際的なバックグラウンドを持つオーブリー・デ・ワイルデ氏は「ここ数か月で求職競争は明らかに激しくなった。同じポジションに多くの人が応募しており、外国人にとっては一層の工夫が必要だ」と指摘する。それでも業種や居住地域によって状況は異なる。AIや最新技術の活用需要からIT分野の求人は豊富で、ロッテルダム近郊では物流、リンブルフ州では製造・工業系の求人が目立つという。母語が採用に有利に働くケースもあり、ドイツ語やフランス語話者はカスタマーサービスや営業職で需要が高いとされる。
「一時契約」は不信任ではなく、オランダの慣行
外国人が戸惑いやすいポイントのひとつが、雇用契約の形態だ。正社員の求人に応募したにもかかわらず、7か月の一時的契約を提示されるケースは珍しくない。デ・ワイルデ氏によれば、「オランダでは労働者保護が手厚いため、企業が契約を解除できる状況は法的に限られている。そのため、多くの企業はまず一時契約でお互いの相性を確かめる期間を設けるのが一般的だ」という。人材派遣会社を経由した採用も同様の趣旨で行われることが多く、最終的には正社員化を前提としたケースが大半だとされる。EU・EEA域外からの求職者には別途、就労許可(ワークパーミット)の取得が必要となる。ビザの種類や状況によって必要な手続きが異なるため、オランダ移民局(IND)の公式ウェブサイト(英語対応済み)で自身の状況を確認し、必要であれば直接問い合わせることが推奨されている。
ワークライフバランスとCVのコツ
オランダの職場文化として広く知られるのが、仕事と私生活の明確な線引きだ。「仕事のために生きるのではなく、生きるために働く」という表現がよく使われる。有給休暇はフルタイム勤務で年間最低20日(公休日は別途)が保障されており、新生児を持つ親に対する育児休暇制度も充実している。5月は祝日が集中するため、工夫次第で少ない有給消化で長い連休を組めることも覚えておきたい。
求職活動においては、CVを2ページ以内にまとめ、応募するポジションごとに内容をカスタマイズすることが基本とされる。冒頭の自己紹介文はカバーレターの要約として機能させ、応募職種に関連するキーワードを盛り込むことが重要だ。オランダ語については、業務上必ずしも必須でない職種も多いが、「オランダ語ができると選択肢が広がる。特に最近は、ドイツ語とオランダ語、スペイン語とオランダ語など、複数言語を組み合わせた要件を設ける求人が増えている」(デ・ワイルデ氏)という。語学学習は、職場での同僚とのコミュニケーションや企業文化の理解にもつながる。在蘭日本人にとっても、英語に加えてオランダ語を習得することが、キャリアの選択肢を広げる現実的な一手となりそうだ。
情報源: DutchNews



