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世界初、アムステルダムUMCが脳にホログラムを投影して手術を実施
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世界初、アムステルダムUMCが脳にホログラムを投影して手術を実施

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MRホログラムを活用した手術

先週、アムステルダム大学医療センター(Amsterdam UMC)の脳神経外科医マールテン・ボット(Maarten Bot)氏が、混合現実(Mixed Reality, MR)技術を活用し、世界で初めて患者の頭部に脳のホログラムを投影しながら脳手術を行った。手術は成功し、患者の脳室にドレーン(排液管)を正確に挿入することに成功したという。

この技術は今後、アムステルダムUMCにおいて同様の手術で標準的に使用される予定であり、その有効性を検証するための臨床研究が進められている。

視線を逸らさずに操作できる新手法

従来、脳神経外科医はナビゲーションシステムを用いて脳室内での自分の位置を確認していたが、このシステムを見るためには視線を術野から外す必要があり、手術中の確認が困難だった。

今回導入された「ホロレンズ(HoloLens)」混合現実ゴーグルを用いることで、患者の頭部に脳の3D画像をホログラムとして重ねて表示できるようになり、術中でも常に視界内で現在位置と目的部位を把握できるようになった。

マールテン・ボット医師はこの技術を「カーナビ」に例え、次のように述べている。「これまでは、事前にルートを確認することはできても、運転中にそれを見ることはできなかった。しかしホログラムを使えば、視線を逸らさずに“今どこにいて、どこへ向かっているか”をリアルタイムで確認できる。」

誤切開のリスク低減へ

脳室へのドレーン挿入手術は、年間数百件におよぶ頻繁な処置である。外科医の熟練度は高いものの、現在でも約10件に2件の割合で誤った位置に切開が行われ、再手術が必要になるケースがあるという。

ボット医師は、「この手術は非常に一般的だが、それでもおよそ20%のケースで誤切開が発生する。再手術は患者にとって負担が大きい」と説明。混合現実技術によって初回での正確な切開が可能となることが期待されている。

今後の展開

この新技術の有効性を科学的に立証するため、アムステルダムUMCはユトレヒト大学医療センター(UMC Utrecht)と共同で臨床研究を開始しており、今後さらに多くの症例を通じて、誤差の減少や患者負担の軽減などを評価していく計画だ。

参考

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