大西洋のクルーズ船でハンタウイルス集団感染、オランダ人2名含む3名が死亡
船はカーボベルデ沖に停泊中、乗組員の上陸も拒否される
大西洋を航行中のオランダのクルーズ船「m/v Hondius」で、ハンタウイルスへの感染が疑われる集団感染が発生した。オランダ外務省の報道官によれば、死者はオランダ人2名を含む少なくとも3名にのぼる。さらに3名が発症しており、世界保健機関(WHO)はすべての事例がハンタウイルス感染によるものとみている。
相次ぐ死者、感染の経緯
最初に症状を示したのは70歳のオランダ人男性で、船内で死亡したとされる。その遺体は大西洋南部に位置するイギリス領の島、セントヘレナで下船したと南アフリカの当局者がAFP通信に語っている。ただし、オランダ外務省はこの点を公式に確認していない。もう一人のオランダ人犠牲者は69歳の女性で、ヨハネスブルグの病院に搬送されたのちに死亡した。3人目の犠牲者についての情報は明らかにされていない。
発症した3名のうち、69歳のイギリス人男性はヨハネスブルグの集中治療室(ICU)に搬送され、ハンタウイルス感染が実際に確認された。残る2名は船を運航するOceanwide Expeditionsの乗組員で、依然として船内にあり、「緊急の医療処置が必要な状態」だと同社は説明している。
カーボベルデ沖で立往生、外交的な膠着も
m/v Hondiusは3月20日にアルゼンチンのウシュアイアを出港し、46日間の大西洋周遊の行程にあった。船には最大170名の乗客のほか、乗組員58名、ガイド13名が乗船できる。外務省によれば、少なくとも10名のオランダ人が乗船していた。
現在、船はカーボベルデの首都プライア沖に停泊中だ。カーボベルデ当局は感染した乗組員2名の上陸を認めていないが、現地の保健当局者が船内に立ち入り検査を行ったという。オランダ政府は、感染した乗組員をオランダへ移送するための支援に取り組む方針を表明している。乗客に対しては、船室内にとどまり他者との接触を最小限にするよう指示が出ている。
オランダ在住者にとっての留意点
ハンタウイルスは主にげっ歯類の排せつ物などを介して感染し、人から人への感染は通常確認されていない。ただし、今回のように閉鎖空間での集団発症という異例の状況であることから、WHOも原因究明を進めている。乗船者の中にはオランダ在住者も含まれており、帰国後の健康状態の確認を含め、当局の対応が注目される。同様の探検型クルーズを検討している人にとっても、今後の調査結果は判断材料となりそうだ。
情報源: NOS Algemeen

