アムステルダム市、観光客上限を「目標に過ぎない」と主張し起業家が反発
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「約束は法的拘束力なし」
アムステルダム市が、観光客数を年間2,000万泊に制限するとした約束について、法的拘束力のある目標ではなく単なる「野心(ambition)」に過ぎないと裁判で主張していることが明らかになった。
これに対し、起業家のアレクサンダー・クロッピング(Alexander Klöpping)氏はLinkedInで、「住民に対してなされた約束は法的に無価値であることが示された」と強く批判している。同氏は、市の公約履行を求めて提訴している財団を資金面で支援している。
背景にある住民の署名運動
2021年、3万人以上のアムステルダム市民が署名した調査を受け、アムステルダム市は観光客の年間宿泊数を2,000万泊に制限すると約束した。
この目標が達成されたのは、新型コロナウイルスによる世界的な移動制限があった期間のみである。制限解除後、観光客数は急速に回復し、クロッピング氏によれば、今年は2,500万泊に達する見込みだという。
裁判と選挙戦の交錯
市の方針に異議を唱えるAmsterdam Has a Choice Foundationは、市を相手取り提訴した。裁判で市は、「自治体の約束から住民が法的権利を導き出すことはできない」と主張したとされる。
クロッピング氏はこれを、「民主的な約束など意味がないと言っているに等しい」と批判する。訴訟は3月18日の市議会選挙キャンペーンのさなかに行われている。「選挙直前に、市民との民主的合意をこれほど無価値だと宣言するのは、いかに皮肉なことか」と同氏は問いかける。「それでいて政治不信がなぜ高いのかと疑問に思うのか」と述べた。
観光抑制を掲げる政党多数
オーバーツーリズムは依然として多くの市民にとって重大な問題である。投票ガイドのStemwijzerによれば、選挙に参加する34政党のうち29政党が公約に観光客削減を盛り込んでいる。
現市政の連立与党であるGroenLinks、PvdA、D66も例外ではない。
PvdAは「市内の観光客を減らしたい」と明言し、観光客を市内各地区により均等に分散させる方針を掲げている。GroenLinksは「観光客が多すぎる」とし、可能な限り人数を抑制し、市民により多くの空間を取り戻すと主張する。D66も、観光客数の削減と分散を進める措置を求めている。
さらにPvdAとGroenLinksを含む15政党が、市中心部でのバケーションレンタル禁止を提案している。PvdAは、海外観光客によるコーヒーショップでの大麻購入を禁止する案も掲げている。
公約と法廷主張の矛盾
こうした選挙公約が並ぶ一方で、市が裁判で「約束に法的拘束力はない」と主張している現状は、政治的メッセージとの間に明確な矛盾を生んでいる。観光政策をめぐる議論は、選挙戦の重要な争点となりつつある。
【補足情報】アムステルダムは近年、短期民泊規制やクルーズ船寄港制限など、観光客抑制策を段階的に導入してきたが、観光収入とのバランスが常に政策課題となっている。
情報源: HARRO LIFE (legacy)




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