卵不足が深刻化─鳥インフルエンザ拡大と価格高騰の連鎖
📦 この記事は旧 HARRO LIFE(https://harrojp.com/articles/211125-3)からの移行アーカイブです。
鳥インフルが卵供給を直撃
オランダ国内で卵の価格が上昇を続ける中、新たにヘルダーラント州テルスフールで鳥インフルエンザが発生し、供給に深刻な影響が出ている。この地域は国内でも特に養鶏場が密集しているヘルデルセ・ファレイ(Gelderse Vallei)に位置しており、感染の拡大が懸念されている。経済学者や業界団体は、感染がさらに広がれば、全国のスーパーマーケットで卵の不足が現実化すると警告している。
卵農家の収入は過去最高レベル
ワーヘニンゲン大学の農業経済学者Nico Bondt氏によれば、2000年以降、店頭の卵価格は約3割上昇し、農家への支払いは倍増している。テルスフールでの今回の発生前には、農家は1個あたり約18セントの収益を上げており、これは「歴史的に見ても高水準」だという。現在の状況下では、価格が短期的に下がる見込みは極めて低い。
供給の中心地で物流が停止状態に
オランダの卵供給の中心地であるヘルデルセ・ファレイでは、感染農場を中心に半径10キロ以内に多くの養鶏場が集中しており、移動・出荷制限が厳しくなっている。バーネフェルトの包装会社Eicomでは、出荷がほぼ停止状態にあるという。Jeffrey van Hamersveld氏は、「今後72時間はほとんど卵が届かない。供給業者の多くが制限区域内にあるため、来週には店頭で卵が不足する可能性が高い」と述べている。
感染拡大のリスクと政府の懸念
テルスフールでの発生は今年ヘルデルセ・ファレイで初めてだが、オランダ全体では14件目の感染事例である。農家や政府関係者の間では、今後の感染拡大により、周辺のフェルウェ地域全体が封鎖される可能性もあるとの見方が強まっている。LTO/NOPの家禽部門代表は、こうした事態になれば、卵の供給は全国的に大打撃を受けると懸念を示した。
農業・自然・食品品質省はこの状況を「緊迫している」と表現している。政府当局は、テルスフールの養鶏場が接触したすべての関係先を追跡しており、企業間での感染があった可能性も視野に入れている。なお、感染源の多くは野鳥とされるが、農場間の伝播も否定できない。
背景には構造的問題も
現在の価格上昇には、今回の発生だけでなく、以下のような構造的要因も背景にある。
・鳥インフルエンザの世界的拡大
・世界的な卵需要の増加
・オランダ国内での生産能力の縮小
政府による買収補償プログラムなどの影響で、国内の鶏の総数は約3300万羽から3000万羽未満に減少しており、市場全体がより脆弱な状態になっている。
包装・物流現場でも混乱が続く
厳格な封じ込め規制の中、包装施設も混乱している。Hardemann Egg Groupによれば、現在のサプライチェーンは3日間は維持可能だが、それ以降は新たな物流障壁により供給が滞る可能性が高いという。感染防止策として、トラックは制限区域内の農場を1軒ずつ訪問し、それぞれの積み荷を中間地点で完全に消毒してから次の農場へ移動する必要がある。これにより、1回の集荷に数時間のロスが生じ、生産効率が著しく低下している。
Hardemann社の社員は、「新たな感染が発生すれば、すべての業務が完全に停止する可能性がある。その後は同じサイクルが繰り返され、最終的には在庫が尽きてしまうだろう」と述べている。
情報源: HARRO LIFE (legacy)




/s3/static.nrc.nl/wp-content/uploads/2026/04/28143411/280426ECO_2033361310_conservatrix.jpg)