店舗上階の空きスペースを住宅に転用できず、住宅危機下の未活用資源
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商店街の空きスペースが眠ったまま
オランダでは深刻な住宅不足が続く中、商店街の店舗上階にある空きスペースが、新たな住宅供給源として期待されている。ING銀行の調査によれば、国内に約5万戸分の空き上階スペースが存在しているという。
これらの空間は既存建物の活用であり、新たな土地を必要とせず、街の活気を取り戻す可能性も秘めている。しかし実際には都市の規制や採算の問題で、多くが放置状態にあると、Telegraaf紙が報じている。
「空いているのに使えない」現実
INGの研究者Sophie Kraaijeveld氏は、「多くの住宅希望者にとって、“店舗の上が空いているのに入居できない”という状況は理解しがたい。法的な障壁や経済的な理由で活用されていないだけのスペースが無数にある」と語っている。
駐車場義務が最大の障害?
店舗上階を住宅に転用する際、都市計画上の「駐車場要件」が大きな障害となっていることが、専門家や投資家との会話で明らかになった。多くの自治体が「新たに住宅を作るには各戸ごとの駐車場を用意すべき」としており、これが計画破綻の原因になっているという。
Kraaijeveld氏は、「すべての住宅希望者が駐車スペースを必要としているわけではない。この点で柔軟性を持たせることは十分に可能だ」と指摘している。
中小投資家への支援がカギ
大手不動産業者と違い、中小規模の投資家は住宅転用の経験が乏しい。市がこれらの事業者に向けて情報提供や支援を行うことが、空きスペースの住宅化を進めるうえで不可欠とされる。また、高額な改装費に比べて家賃収入が見合わないケースも多く、賃貸規制によって想定収益が制限されることもあるため、財政的インセンティブ(補助金や税制優遇)の導入も検討すべきだと報告されている。
補足:オランダの家賃規制制度
一定の基準以下の住宅は政府によって家賃の上限が設定される「社会賃貸住宅制度」の対象となり、家主が自由に賃料を設定できないため、投資収益が制限される。これが住宅供給の停滞要因ともなっている。
政策転換が都市の空間を救う
市街地の上階スペースは、都市の中に眠る“水平の空き地”とも言える。急激に新築を進めるよりも、既存インフラを活かす都市再生型のアプローチとして注目されており、今後の政策転換が期待される。
情報源: HARRO LIFE (legacy)




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