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宿泊費は安く、朝食は高く?ホテルで始まる“増税逃れ”の価格調整術
経済

宿泊費は安く、朝食は高く?ホテルで始まる“増税逃れ”の価格調整術

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ホテルが新たな価格戦略に動く

オランダのホテル業界では、2026年1月1日から宿泊料金にかかる付加価値税(VAT)が現在の9%から21%へ引き上げられる予定となっている。この増税を前に、多くのホテルが宿泊料金を若干引き下げる一方で、朝食やプール・サウナの利用料金を引き上げるという価格戦略を取っている。これらの追加サービスに対するVAT率は依然として9%に据え置かれる見込みである、と公共放送NOSが報じている。

パッケージの中身をどう分けるか

宿泊客が朝食や施設利用を含む「オールインクルーシブ料金」を支払った場合、その内訳――宿泊費用と追加サービス費用の割合――はホテル側が税務当局に申告する必要がある。この割合を調整することで、より多くの収益を9%課税の項目に振り分けることが可能となる。結果として、顧客に対する実質的な価格上昇を抑えることができる仕組みだ。

ホテルチェーン「フレッチャー・ホテルズ」のCEORob Hermans氏は、NOSの取材に対し「パッケージ商品の中で、宿泊分の売上を食事や飲み物に振り分ける」と述べた。たとえば、これまで無料だった部屋内の水ボトルを1ユーロで販売し、その分を宿泊費から差し引くといった工夫を検討しているという。さらに、ウェルネスサービスやその他の軽減税率対象項目も収益源として注目しているとのことだ。

国境地域ホテルは“越境競争”

リンブルフ州スレナケンにあるホテル「クライン・スイス」のDiana Huls氏も同様の戦略を取っている。「できる限り9%課税のサービスを盛り込んだパッケージを創り出している」と語り、ホテルがベルギー国境からすぐ、ドイツまで10キロも離れていない立地であることにも言及した。ベルギーとドイツでは宿泊VATがそれぞれ6%と7%と低く、「創意がなければ、ゲストの選択肢はすぐ国外になる」と危機感を示した。

業界の立場と税務当局の監視

オランダのホスピタリティ業界団体「KHN(オランダ王立ホレカ協会)」のMarijke Vuik氏は、「ホテルがこのような工夫をするのは当然である」とし、増税によって利幅が圧迫される現状を踏まえている。しかし、同協会は加盟ホテルに対して「朝食と宿泊の価格比率が極端に不自然な構成では失敗する」と警告も発している。税務当局は、価格が適正かどうかを確認するために、旅行予約サイトでの料金比較や過去の宿泊実績との比較を行う構えである。

税務当局もまた、「こうした価格の振り分けが合理的であることを、ホテル側が示せる必要がある」としており、対策の裏付けとなる資料や論拠が求められることになる。

参考

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