ヴィーガン専門店は苦戦、オランダ外食業界の“静かなシフト”
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専門店の減少、理由は?
オランダ商工会議所と菜食情報サイト「Happy Cow」の最新データによると、ヴィーガン・ベジタリアン専門店の新規開業は鈍化し、店舗数もわずかに減少したという。この傾向は一見ネガティブに見えるが、専門家は「むしろ植物性食の普及が進んだ結果」と分析する。
一般的なレストランでのヴィーガン料理の選択肢が格段に増えたため、ヴィーガン専門業態の「独自性」が薄れ、市場が分散しているのだという。
「菜食だけでは収益が持たない」
人気レストランチェーン「Vegitalian」も方向転換した。5年間の完全菜食路線を経て、ロッテルダム支店では肉・魚の提供を再開したという。共同経営者Joep van den Bersselaar氏はNOSに対し、「固定費を賄うには、より広い顧客層が必要だった」と述べた。
さらに、「菜食=左翼」という文化的な先入観も壁になっていると指摘。「私たちが“ベジタリアンであること”を強調しすぎると、かえって逆効果だった」と語った。
肉・魚は「ごちそう」の象徴?
ラボバンクのホスピタリティ専門家Jos Klerx氏は、こうした現象は全国的に見られると語る。食社会学者Hans Dagevos氏も同意見で、「肉や魚は今なお“ごちそう”、“贅沢”、“祝祭”の象徴。ヴィーガン・ベジタリアン料理が主張を強めすぎると、一般層との距離が開いてしまう」と語った。
「多くの人が平日は菜食にし、週末は肉や魚を楽しむ。外食需要が高まる週末に動物性たんぱくを排除するのは難しい」とKlerx氏は補足した。
菜食文化は“隠れた勝利”
とはいえ、ヴィーガンやベジタリアン文化そのものが退潮しているわけではない。外食産業全体で植物性メニューの普及が進み、「選べる」状態が常態化している。
Dagevos氏は、「ヴィーガンやベジタリアンの人口は数年前から約5%で安定しているが、レストランの対応力は飛躍的に向上した」と話す。「今では普通のレストランでも、複数の選択肢がある」。食の啓発団体ProVegのPablo Moleman氏も、「植物性料理の“当たり前化”が、専門店の市場シェアを削っている。それは、むしろ成功の証」と語った。
“やんわり誘導”がカギになる?
Dagevos氏によれば、メニュー構成やスタッフの一言で、客の選択行動は変えられるという。「植物性メニューを目立つ位置に配置したり、スタッフが一言すすめるだけでも十分効果がある」と指摘。「専門性を捨てずに、大衆性を獲得する道もある」とまとめた。
情報源: HARRO LIFE (legacy)




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