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電動化の波に乗れない欧州車業界、オランダの部品メーカーが岐路に立つ
経済

電動化の波に乗れない欧州車業界、オランダの部品メーカーが岐路に立つ

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欧州の電動車政策がもたらす混乱

欧州連合は2035年までにガソリン車とディーゼル車の販売を段階的に廃止し、電動車への全面的な移行を目指している。しかし、その道のりは決して平坦ではない。

オランダの日刊経済紙『Het Financieele Dagblad』によれば、フォルクスワーゲンやステランティスなどの欧州大手自動車メーカーが、電動車市場の伸び悩みにより生産削減や投資の先送りを行っているという。この流れが、オランダの自動車部品サプライヤーに深刻な打撃を与えている。

内燃機関部品業者の売上減が顕著に

Bosal、Tata Steel、Aalberts といったオランダ企業は、これまで主に排気システムやエンジン関連の内燃機関向け部品を製造してきた。こうした企業の工場では、注文数の大幅な減少に直面しており、売上の減少が顕著になっている。

一方で、電動車用部品の需要はまだ十分に成熟しておらず、内燃機関部品の売上減を補うには至っていない。結果として、部品メーカーはどのタイミングで完全に電動車向け製品にシフトすべきか判断を迫られている。

リース市場での好調と個人購入の鈍さ

オランダやノルウェーでは、電動車がリース市場で好調な売れ行きを示しているが、個人消費者は依然として慎重だ。車両価格の高さ、充電インフラの未整備、航続距離への不安などが、内燃機関車からの切り替えを阻んでいる。

こうした状況では、自動車部品メーカーも確信を持って生産体制を変更することが難しく、事業リスクが高まっている。

政治的揺らぎと業界の不安

ドイツのフリードリヒ・メルツ首相やフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、EUの2035年内燃機関禁止に対し、延期を主張している。こうした政治的議論は、業界にとって追い風となる可能性があるが、政策の先行きが不透明である以上、戦略の見通しも立ちにくい。

中国依存と国際競争の懸念

もし2035年禁止が予定通り実施されれば、自動車メーカーは電動車への全面移行を余儀なくされる。これにより、中国製バッテリーや電子部品への依存が一層深まると懸念されている。

また、安価な中国製電動車が欧州市場に進出し始めており、価格競争力のある欧州モデルの必要性が増している。さらに、欧州車ブランドは米国市場で輸入関税の壁にも直面しており、国際的な競争環境は厳しさを増している。

欧州メーカーの対応と国内市場の動向

こうした状況に対応するため、フォルクスワーゲンなどの欧州メーカーは手ごろな価格の電動車モデルを続々と発表している。たとえば、ミュンヘンで開催されたIAAモーターショーでは、2万5,000ユーロ前後の新型EVが複数発表された。

一方、オランダでは、消費者が依然として既存の欧州ブランドを信頼しており、サービス網や部品の供給体制が整っているブランドに対する支持が根強い。この点が、欧州ブランドにとって競争上の小さな優位性となっている。

参考

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