「節約のはずが逆効果」太陽光パネル付き住宅で電気代が上がる恐れ
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サルデリング制度廃止で打撃
オランダ政府は、2027年1月1日をもって「サルデリング制度(salderingsregeling)」を廃止する方針を明らかにしている。これにより、50万人以上の社会住宅入居者が電気代の増加という形で経済的な影響を受ける可能性がある。
この制度は、住宅に設置された太陽光パネルで発電した電力を自家消費しきれなかった場合に、電力会社に売電し、その分を自分の使用電力と相殺できる仕組みであった。入居者は、パネル1枚あたり月額約3.50ユーロのサービス費を支払い続けることになるが、制度廃止後はこの費用に見合う恩恵が受けられなくなる。
ABN AMROの調査によれば、この制度終了によって85%の入居者が毎月数ユーロから数十ユーロの損失を被る可能性があるとされている。
バッテリー導入は現実的ではない
対策として蓄電池の導入による自家消費率の向上(30%→60%)が検討されたが、バッテリー1基の導入コストは2,000〜2,500ユーロと高額である。Wocozonの創業者Roland van der Klauw氏によれば、「費用を半減できなければ大規模導入は不可能だ」と述べている。
専門家によると、損失を回避するためには5億4,100万ユーロの資金が必要であり、現状では実現性が低い。
住民の反発と住宅協会の対応
住宅協会やテナント団体の間では混乱が広がっている。アーネムの住宅協会Vivareでは、以前は入居者の70%が賛成すればパネル設置を進めていたが、現在はこの方針を取り下げた。一部では実際に太陽光パネルが撤去されている。
Woonbondの調査では、入居者の3人に1人が太陽光パネルの撤去を望んでいると回答しており、Vivareの担当者Linda Hoekjan氏は「住民の不安と混乱により、かつての設置基準は維持できない」と述べている。
エネルギー貧困の拡大と政策批判
WoonbondのZen Winkels代表は、政府の方針転換を「またしても基本的な生活保障を損なう裏切り」と厳しく批判している。電気料金の上昇はエネルギー貧困層をさらに苦しめる可能性がある。
さらに、公共住宅に住むパネル設置世帯の半数が月平均17ユーロの損失を見込んでいるとする報告もあり、住宅協会は政府に対し5億8,500万ユーロの補償基金設立を求めている。
今後の展望
サルデリング制度の廃止は、持続可能なエネルギー政策の一環として位置づけられているが、現場の住民や住宅協会の負担を軽視した形での変更は、制度そのものへの信頼を揺るがすことになる。制度終了まであと2年あまり。政府がいかなる形で住民保護と公平性を担保するかが、今後の焦点となるだろう。
情報源: HARRO LIFE (legacy)




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