米イラン長期衝突ならユーロ圏にエネルギーショック─INGが警告
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「最悪のタイミング」
オランダの大手銀行INGは、米国とイランの衝突が長期化した場合、ユーロ圏経済が主要経済圏の中で最も深刻な影響を受ける可能性があるとする報告書を発表した。
INGのエコノミストは「米国とイスラエルによるイラン攻撃は、これ以上ないほど悪いタイミングで起きた」と指摘。ユーロ圏は長期停滞からようやく回復の兆しが見え始めたところだったが、トランプ政権下での関税不透明感に続き、エネルギーショックが重なる恐れがあると述べた。
ユーロ圏は石油のほぼ全量と天然ガスの相当部分を輸入に依存しているため、価格上昇の影響を受けやすい。
エネルギー危機再来の懸念
INGは、エネルギー価格の急騰や供給混乱が、2021年末から2023年にかけてのエネルギー危機を想起させる可能性があると警告した。
ただし、今回はロシア産エネルギーの全面的な遮断に直面しているわけではなく、また危機が冬の始まりではなく冬の終わりに発生している点が当時との違いである。
【補足情報】ユーロ圏はロシア産ガス依存を大幅に削減したが、依然としてエネルギー輸入依存度は高く、価格変動の影響を受けやすい構造にある。
ECBの難しい選択
エネルギーショックは、European Central Bank(ECB)の政策運営も難しくする。ユーロ圏ではサービス部門のインフレが依然として高止まりしており、原油価格の上昇が全体インフレをさらに押し上げる可能性がある。
一方で、米国の輸入関税を巡る不確実性やエネルギー価格上昇は成長見通しを弱める。INGは「利上げは、ユーロ圏経済が十分な回復力を示した場合にのみ可能だ」と指摘する。
原油14%上昇
ECBの過去分析では、原油価格が14%上昇した場合、ユーロ圏のインフレ率は0.5ポイント上昇し、経済成長率は0.1ポイント低下すると試算されている。ただし、この分析には供給網の混乱は織り込まれていない。
INGは、エネルギーコスト上昇、物流混乱、信頼感の悪化が重なれば、世界貿易量が大きく減速する可能性があると指摘した。もっとも、軍事・地政学的情勢は日々変化しており、衝突が数日で終息するのか、地域全体を巻き込む長期戦に発展するのかが最大の焦点である。
情報源: HARRO LIFE (legacy)




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