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ビニールハウス農家が“発電所”に、電力ひっ迫を緩和する新たな担い手
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ビニールハウス農家が“発電所”に、電力ひっ迫を緩和する新たな担い手

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送電網の危機に挑む“温室パワー”

オランダ・北ホラント州で電力網の容量不足が深刻化するなか、意外な存在が注目されている――温室農家たちだ。彼らは自身の栽培施設に熱電併給(CHP)システムを導入し、需要に応じて電力を供給・吸収することで、地域の送電網の安定化に貢献している。

「小さな発電所」化する温室

アンドエイク(Andijk)でキクを栽培するFred van Paassen氏は、自身の温室を「小さな発電所」と呼ぶ。彼のCHPシステムは1時間あたり最大3メガワットの発電が可能で、約1,000世帯分の電力に相当する。

・需要超過時には電力を系統に還元

・需要過多(再生可能エネルギーが余る)時には吸電して負荷を下げる

・残留熱とCO₂は温室栽培に再利用され、エネルギー効率は極めて高い

CHPシステムは発電の際に発生する熱や排出物を有効活用でき、電力と温熱を同時に供給する省エネ技術として欧州全体で導入が進んでいる。

「利益にもなる」農家も得

Van Paassen氏は、エネルギー会社Tenergy社と契約を結び、市場価格に応じて変動報酬を得ている。電力が不足すれば高値で売電でき、再エネが余る時間帯には電力を吸収して系統の安定化に協力する。このモデルは他の農家にも波及しており、アンドエイクやヴェルフェルスホーフ(Wervershoof)周辺には同様のCHP温室が少なくとも9軒存在している。

インフラが追いつかない中の「バッファー」

オランダでは脱ガス社会の推進により、住宅・企業・データセンター・EV充電器などが次々と電力網につながり、2024年には新規接続希望企業数が倍増した。しかし政府は春の予算案で追加財源を計上せず、送電網整備は遅れている。

北ホラント州北部では、380kVの全国送電幹線に接続されておらず、高容量送電線の完成は2035年の見込み。一方、住宅建設も足止めされており、アンドエイクと同じ自治体にあるウォグナムでは50戸の住宅開発が7年延期されている。

温室農業こそ解決策になれる

「温室農業は大規模電源としての潜在力がある」と語るVan Paassen氏。農業インフラと電力インフラの統合というアプローチは、今後の地域分散型エネルギーのモデルになりうる。

ー「北ホラントの温室農業は、1つの大きな発電所のように機能している」

参考

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