「スクロールが止まらない」を違法に――依存性アルゴリズム禁止法案、オランダ議会へ
Pro党議員がSNS・ゲーム・出会い系アプリを標的に規制立法を提出
画面を見ているうちに気づいたら一時間が経っていた、買うつもりのなかった商品をいつの間かカートに入れていた――そんな経験を持つ人は少なくないだろう。オランダ議会のPro党議員ブレクター・カットマン氏は、こうした「操作的な仕掛け」をデジタルプラットフォームから排除するための法案を議会に提出した。狙いは、無限スクロールや衝動購入を誘発する設計を**「不公正な商慣行(oneerlijke handelspraktijken)」として法的に禁止する**ことだ。
安全でないおもちゃと同じ論理
現行のオランダ法では、「不公正な商慣行」の規制は物理的な製品を念頭に置いている。カットマン氏はこれをデジタル製品にも拡張すべきだと主張する。「安全でないおもちゃは市場から撤収させる。ソーシャルメディアプラットフォームが安全でないなら、設計段階に戻って修正させるべきだ」と同議員は語る。対象となるのはソーシャルメディアだけではない。ゲーム・出会い系アプリ・チャットボットを含む幅広いデジタルサービスが法案の射程に入っており、「一握りのテック億万長者を潤すために私たちを依存させ、お金を使わせる仕掛け」を取り除くことが目的だという。
注目すべき先例として、カットマン氏は昨年オランダ国内でInstagramとFacebookにアルゴリズム非表示オプションを導入させることに成功した経緯を挙げている。今回の法案はその延長線上にある取り組みと位置づけられる。
EUを動かす「小国発」の戦略
カットマン氏が本来望むのはEUレベルでの統一規制だが、「ブリュッセルの動きは遅すぎる」として、まずオランダで立法し欧州全体を牽引する戦略をとる。念頭にあるのはフランスの事例だ。フランスがSNSへの年齢制限を国内法として先行させたことで、EU全体の議論が加速した経緯がある。カットマン氏は同様の効果を狙っており、ドイツ・フランス・ベルギー・ルクセンブルク・オーストリア・イタリア・ポルトガルの議員とも連携して各国での立法化を並行して推進している。
オランダに暮らす日本人にとっても、日常的に使うSNSやショッピングアプリの設計が変わる可能性があるという点で、この法案の行方は無関係ではない。法案が成立すれば、プラットフォーム側はオランダ向けサービスの仕様見直しを迫られる。EU規模の規制へと波及した場合、その影響はさらに広範になる。デジタル空間における消費者保護の線引きが、どこまで引き直されるのか――議会での審議が注目される。
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情報源: NOS Algemeen
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