ロックの伝説ハーマン・ブロードの絵画、国立コレクション入りを果たす
税務署の壁から国家的遺産へ――没後25年、再評価の狼煙
オランダのロック界の象徴であり、画家としても知られるハーマン・ブロード(2001年没)のアクリル画が、国立コレクションへの正式な収蔵を果たした。レンブラント、フェルディナント・ボル、ピート・モンドリアン、カレル・アペルといったオランダを代表する芸術家たちと肩を並べる存在として、公式に認められた形だ。
税務署の壁から国家的遺産へ
今回収蔵されたのは、無題のアクリル画。ブロードがトレードマークとしていた注射器とペイントローラーを使い、ピストルを手にした二人の男が描かれている。この作品はハーグの税務署の壁に長年掲げられていたが、今週アメルスフォールトにある文化遺産庁(RCE)の収蔵庫へ移管され、「キャンバスの上のロックンロール」と命名された。作品が税務署に渡ったいきさつについて、ブロードの友人でありコレクターのロブ・デュプレは「彼は借金の返済に絵を使ったのだろう」と語る。「レシートや書類仕事とは無縁の人だった。五枚描いては酒や薬や女に使っていた。ビジネスライクな人間では、まったくなかった」。
「ジャンキーが描いた絵」から「20世紀のアイコン」へ
RCEは収蔵の理由について、「ブロードはオランダの文化と歴史に多大な貢献をした。20世紀のアイコンとして、芸術家としての評価をより高く位置づけるべきだ」と説明した。約12万点を擁する国立コレクションへの収蔵は、その作品が永続的に保存され、さらに各地の美術館への貸し出しも可能になることを意味する。
生前のブロードは「アーティスト業もこなすロックシンガー」として見られ、時には「絵を描くジャンキー」とも揶揄されたとデュプレは振り返る。「誰でも彼のようにできると思われていた。この収蔵決定はオリンピックで金メダルを取るようなものだ」と放送局NOSに語った。デュプレ自身は現在、ブロードの名を騙った偽作の摘発にも取り組んでいる。
妻が語る「最大の夢」
妻のザンドラ・ブロードは、夫は色盲だったためしばしば色の判別を彼女に頼っていたと明かしつつ、「彼はとても速く描いた。次々と仕上げていった」と回顧する。そしてこの知らせを夫が聞いたなら「大変な名誉だと思ったでしょう」と言葉を添え、将来的にはアムステルダムの市立美術館(Stedelijk Museum)の壁に飾られることを願っていると語った。それはブロード自身が生前に抱いていた、最大の夢でもあったという。
作品の推定価値は1万3,000〜1万5,000ユーロとされているが、デュプレによれば収蔵決定を受けてその価値は約50%上昇したとみられる。「彼は片手間にやっていたロックスターなどではなかった。その事実がようやく認められた」とデュプレは強調する。ロックと絵筆を両手に生き抜いた男の作品が、国家の記憶として刻まれる日が来た。
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情報源: DutchNews

