アムステルダム発「赤ちゃんレイブ」、子育て中も音楽シーンとつながりたい親たちが殺到
600枚のチケットは完売、「ビヨンセより取りにくい」との声も
日曜日の午後1時、アムステルダムのNoordelichtというベニューの外にはすでに列ができていた。グリッターを顔に散らし、サングラスをかけた参加者たちは、まるで夏フェスに向かうかのような出で立ち。しかしベビーカーを押す手が、ここが普通のフェスではないことを物語っている。これが「Tiny Grooves」——子連れファミリーのためのレイブイベントだ。
産休中の「冗談」から生まれたコンセプト
イベントを立ち上げたのは、オーストラリア出身でアムステルダム在住の2人の母親、モーガン・アンドリュースとサマンサ・バーカーだ。2人は2020年に知り合い、数週間違いで第一子を出産。同時期に産休を取っていた2年前、ベビーセンサリークラスに通う日々に「頭がおかしくなりそう」になったことが原点だという。「ああいうクラスは完全に子ども中心。私たち親が子どもと一緒に体験を共有しながら、自分たちも楽しめる場所がない」とバーカーは振り返る。音楽フェスが大好きな2人が目指したのは、「親になる前の自分とつながりながら、親であることも手放さない」イベントだった。
最初はほんの冗談だったアイデアが、2024年5月の第1回開催で即座に完売という形で現実になった。近所の公園でチラシを配り、バクフィッツ(オランダの荷台付き自転車)に挟み込んだだけで、オランダ人と在住外国人が半々という客層が集まった。
600枚完売、「ビヨンセより難しい」争奪戦
会場内にはグリッターバー、クラフトコーナー、キッズプレイゾーン、そしてDJブースが並ぶ。子どもたちが思い切り体を動かしてエネルギーを発散できる一方、親はドリンク片手に子どもを視野に入れながらリラックスできる。その日曜日のイベントでは600枚のチケットが完売し、当日券を狙って会場に現れた親も。「ビヨンセのチケットより取るのが難しかった」と冗談を言う参加者もいたほどだ。
チケットは大人€18・子ども€9(18か月未満は無料)。多くの音楽フェスと比べても手が届きやすい価格設定で、子育て中でも音楽シーンとつながりたいという潜在的なニーズを掘り起こした形だ。取材に応じた参加者のユーリさんは、以前は大人向けフェスに頻繁に通っていたが、子どもが生まれてからペースが落ちたという。「子育て世代のミートアップに、好きな音楽の雰囲気が加わるこのコンセプトに惹かれた」と話す。
在蘭外国人にとっての「居場所」としての側面も
注目すべきは、このイベントがアムステルダムに住む外国人ファミリーにとっても特別な意味を持ち始めていることだ。チューリッヒ在住で、移住を検討しアムステルダムに滞在中だったダミアン・ラストとマニュエラ・ラスト夫妻は、「子どもがいながら現地の親たちとつながれる機会」としてイベントを選んだ。「子ども向けの活動か、大人向けの活動か——いつも二択だった。これはその両方を満たしてくれる」とダミアンは語る。
アムステルダムに暮らす日本人ファミリーにとっても、言語の壁を超えてコミュニティに溶け込めるイベントとして、Tiny Groovesは一つの選択肢になり得る。主催者の2人は本業を持つ親として活動しており、次回の開催時期は現時点では未定だ。それでも、一度この場を体験した人々の熱量は確かなものがある。SNSや口コミで情報を追っておくと、チケット争奪戦に間に合うかもしれない。
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情報源: DutchNews

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