「私の意見は関係ない」—— ジャーナリスト・ハビバッラー、ゾメルハストで語ったこと
NOS元特派員が問われた「記者である自分」と「人間としての自分」
オランダの公共放送VPROが毎夏放送する長寿インタビュー番組「ゾメルハスト」に今年、元NOS駐在記者のナスラ・ハビバッラーが出演した。イスラエル・パレスチナ担当特派員として4つの紛争を現地から伝え、その間に母親にもなった彼女は、オランダのジャーナリズム界でも注目度の高い存在だ。しかし約3時間に及ぶ個人インタビューを終えて、視聴者の前に浮かび上がったのは「記者としてのハビバッラー」であり、「人間としてのハビバッラー」ではなかった——NRCのテレビ評はそう総括している。
記者として、つねにカメラの前に
ハビバッラーは一貫して、自分の意見を表明することを退けた。「私が何を思うかは関係ない。大切なのは、さまざまな視点を届けること」。それが彼女の記者としての信条であり、ゾメルハストという舞台でも揺らぐことはなかった。司会のヤニーン・アブリングが個人的なエピソードを粘り強く掘り起こそうとした場面も印象的だ。パレスチナ系の祖父がイスラエル軍の侵攻で片目を失ったこと、父親は娘たちにその重荷を背負わせまいと故郷の話をほとんどしなかったこと——そうした断片が少しずつ語られたものの、それ以上は明かされなかった。「彼女はゲストとしてではなく、記者として座っていた」とアブリングは番組の締めくくりに指摘し、ハビバッラー自身も「そうかもしれない」と静かに認めた。
4つの紛争、そして母親になるということ
特派員着任からわずか1カ月半で戦争が始まった。思い描いていた「街に出て、人々と話す」取材スタイルとはかけ離れた、終日ライブ対応のハードニュース勤務が続いた。その3年間で4つの紛争を取材しながら子どもを産み、「溺れているような感覚」を抱えていたと打ち明けた。ストレス解消のため移住ドキュメンタリー「イク・フェルトレック」を見ていたというエピソードは、番組のなかで数少ない素顔の垣間見えた瞬間だった。現在はオランダ国内の取材に戻り、NOS国内担当記者として活動している。
「内面を見せる」ことへの抵抗
番組終盤、アブリングはカメラから椅子を背けて一緒に音楽を聴こうと提案した。ハビバッラーの「内側」へ踏み込む最後の試みだった。「それはいいですね」と彼女は従順に答えたが、NRCの評者は「彼女には椅子を背ける選択肢がない」と書く。紛争はつねに彼女の傍らにあり、カメラは常に回っている——そのことを誰よりも知っているのは、ハビバッラー自身だろう。ゾメルハストが期待する「3時間で人物の深部に迫る」という形式と、記者として鍛え上げられた「自分を消す」姿勢の間にある摩擦は、今回の放送が残した最も興味深い問いかもしれない。オランダのメディアが「客観性」と「個人の物語」をどう折り合わせるかは、移民背景を持つジャーナリストが増えるなかで、今後も問われ続けるテーマだ。
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情報源: NRC
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