「米国には戻らない」——トランプ政権を逃れ、天文学者がライデンに新天地を求めた
「米国には戻らない」——トランプ政権を逃れ、天文学者がライデンに新天地を求めた
特別基金で招致された29人の国際研究者、オランダの科学外交が問われる
アメリカの名門ヴァンダービルト大学で要職を務めていた天文学者、ケリー・ホリー=ボッケルマン氏がオランダのライデンに移り住んだ。理由はひとつ——トランプ政権による科学分野への介入と予算削減だ。「米国には戻らない」と語る同氏の言葉は、現在の米国の学術環境を象徴するものとして、欧州メディアで広く伝えられている。
特別基金で招かれた29人の研究者たち
ホリー=ボッケルマン氏はオランダ政府やアカデミア関係機関が設けた特別基金を通じて招致された29人の国際研究者のうちの一人だ。この基金は、政治的・制度的な理由で自国での研究継続が困難になった優秀な科学者を欧州に迎え入れることを目的としており、フランスやドイツでも類似の取り組みが進んでいる。ライデンはオランダ屈指の研究都市であり、ライデン大学をはじめとする国際的な学術機関が集積している。同氏にとっても、新たな研究拠点としての条件は十分に整っていたといえる。
科学への「攻撃」——研究者たちが感じる危機感
トランプ政権が2期目に入って以降、米国では連邦機関の科学予算の大幅削減や、気候変動・多様性に関する研究プログラムの打ち切りが相次いでいる。こうした動きは、特に基礎科学や公衆衛生、宇宙・天文分野の研究者に深刻な影響を与えており、「研究の自由が脅かされている」と感じる科学者は少なくない。ホリー=ボッケルマン氏はこうした状況を「攻撃」と表現し、自らの判断でキャリアと生活の場をオランダへと移した。帰国を否定する発言には、一時的な避難ではなく永続的な移住として捉えている意思が読み取れる。
オランダ在住の日本人研究者・関係者への含意
今回の事例は、オランダが国際的な人材獲得競争において積極的な姿勢をとっていることを改めて示している。在蘭の日本人研究者や大学関係者にとっても、この動きは無縁ではない。欧州の研究環境が相対的に開かれたものとして評価される一方、外国人研究者の受け入れ枠や支援制度の詳細は各大学・機関ごとに異なるため、関心のある人は個別に確認することが求められる。米国から欧州への頭脳流出が今後どこまで続くのか——ライデンに降り立った一人の天文学者の選択は、その流れを象徴するケーススタディとなりつつある。
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情報源: NU.nl

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