7月1日から変わるオランダの制度——最低賃金・家賃・輸入手数料まとめ
半年ごとの制度改定、2026年夏版の主な変更点を整理する
オランダでは毎年1月と7月の年2回、法改正や給付改定が一斉に施行される。2026年7月1日付けの変更は、賃金・家賃・輸入規制・通信販売規制など広範な分野にわたり、在蘭日本人の日常生活にも影響しうる内容が多く含まれる。
最低賃金と社会保障給付の引き上げ
21歳以上を対象とする法定最低賃金は、従来の時給14.71ユーロから14.99ユーロ(1.9%増)へ引き上げられる。これに連動して、失業給付・傷病・障害給付・社会扶助なども増額される。一人暮らし向けの国家年金(AOW)の手取り額は月額1,581.55ユーロに上昇し、児童手当も消費者物価に合わせて増額される。物価上昇が続く中、賃金と給付の底上げは家計の下支えとなるが、物価上昇ペースとの兼ね合いが引き続き課題だ。
社会住宅の家賃については、今年の上限引き上げ率が昨年の5%から4.1%に引き下げられた。ただし住宅公社各社の平均値は3.6%の値上がりを見込んでおり、一般的な社会住宅の家賃は月額約666ユーロとなる見通しだ。収入水準が一定を超える入居者には、さらに月50〜100ユーロの割増し徴収が行われる場合もある。なお、民間中価格帯住宅(6.1%増)および完全自由市場住宅(4.4%増)の値上げはすでに1月に適用済みだ。
EU域外通販と電話セールスに新たな規制
中国発のECプラットフォームであるTemuやSheinをはじめ、EU域外のウェブショップからの購入には1商品種別につき3ユーロの輸入手数料が新たに課される。これはEUがこれまで設けていた150ユーロ未満の小口荷物への免税措置を廃止することによるもの。同一商品を複数注文すれば手数料は1回だが、異なる種類の商品を同時注文した場合はその種類の数だけ課金される仕組みだ。日常的にEU域外の通販サービスを利用している場合は注意が必要だ。
電話セールスの規制も大幅に強化される。企業は、既存・元顧客であるかを問わず、消費者の明示的な同意なしに営業電話をかけることが全面禁止となる。また番号を非通知にしての発信も不可となる。慈善団体や公益目的の宝くじ、新聞・雑誌社は適用除外とされる。
インフラと自動車にも変化
電力網の容量不足が深刻化する中、ヒートポンプや電気自動車用充電器の設置などに伴う電力契約の増量申請について、一般家庭も待機リストへの登録対象となる。従来は大口利用者のみが対象だったが、ノールトブラバント州やユトレヒト州の大部分ではすでに新規接続・増量申請が停止状態にあり、今後の普及計画を立てる際には留意が必要だ。
自動車分野では、EU全域で7月7日以降に新規販売される乗用車に対し、運転中の注意散漫を警告するシステムの搭載が義務化される。トラックについてはキロ単位の走行課金制度が導入され、環境性能や車両重量に応じた料率が設定される。同期間中はトラックの自動車税が廃止され、バンの同税は半額となる。銀行送金においても、マネーロンダリングやテロ資金調達が疑われる取引については当局の要請により最大5日間の保留措置が可能となった。制度変更の範囲は広く、生活の複数の側面に同時に影響が及ぶ半期となりそうだ。
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情報源: DutchNews



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