未成年犯罪抑止に高額制裁金、急増する「条件付き罰則」の効果は不明確
裁判所を介さず数週間で科せられる仕組みに、法学者が警鐘
オランダの大都市が、未成年の犯罪者に対し「条件付き制裁金(last onder dwangsom)」を科すケースが急増している。Omroep Gelderlandが人口10万人以上の全自治体を対象に調査したところ、2021年に7件だった適用件数が2023年には53件に達したことが明らかになった。金額は違反1件あたり1,000〜7,500ユーロ。再犯防止と公共秩序の回復を目的に掲げるこの措置だが、その実効性については依然として不透明な部分が多い。
麻薬密売抑止に「ダモクレスの剣」
制裁金が最も多く活用されているのは、麻薬密売への関与防止だ。あるナイフの所持、違法花火の使用、騒音トラブルへの対応にも使われるが、かつて薬物取引に関わった若者を「正しい道」に引き戻す手段として特に重用されている。ある自治体の担当者は「若者は麻薬取引の手っ取り早い金に引き寄せられやすい。数千ユーロの負債リスクが頭上にぶら下がれば、数回の取引で得る利益よりも重く感じるはずだ」と語る。この手法はゲルダーラント州のプッテン市が先駆けとなったことから「フェルウェ方式」とも呼ばれ、近年は各地に広まっている。
裁判なしで科せられる「スピード制裁」の問題点
刑事手続きを経た有罪判決には数カ月を要するのに対し、この制裁金は裁判所を介さずに数週間以内で科すことができる。迅速な対応を可能にする半面、ラドバウド大学で公法・行政法を教えるミヒール・ファン・エメリク氏はその危うさを指摘する。「刑事手続きには黙秘権や証拠保全に関する厳格な要件など、被疑者を守る重要な保護規定がある。条件付き制裁金にはそれが存在しない。それでいて、当事者に大きな影響を与えうる」と警告する。
効果を把握できない自治体、深化する犯罪リスク
再犯抑止を目的とする制度でありながら、デン・ハーグはパイロット事業を評価したものの効果について結論を出せず、ユトレヒトは「評価するには時期尚早」と述べるにとどまる。効果検証を実施していない自治体も複数存在する。唯一、制度の負の側面に言及したのがファンロ(Venlo)市だ。「未成年者が再び違反して制裁金を実際に支払わなければならなくなった場合、負債が生じる。本人には支払い能力がないことが多く、負債を返すためにさらに密売行為を深める「触媒」になりかねない」と同市の広報担当者は述べる。さらに「大きな犯罪組織が負債を肩代わりし、より重い役務を求める構図に陥る危険もある」と続ける。にもかかわらず、ファンロ市自身も昨年4件の制裁金を科した。VVD党の下院議員ルート・フェルクアイレン氏は件数の増加を「前向きなシグナル」と評価し、保護者の責任を問う取り組みを推進する立場だが、制度の急拡大に見合った効果検証の仕組みはいまだ整っていない。在蘭日本人の子育て世代にとっても、行政がいかに迅速かつ強力に未成年者の行動に介入しうるかを示す事例として、注目しておく価値がある動向だ。
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情報源: NOS Algemeen



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