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オランダ健康評議会「飲酒に安全な量なし」——1日1杯でもリスクと警告
社会 読了 2分

オランダ健康評議会「飲酒に安全な量なし」——1日1杯でもリスクと警告

政府に「飲酒の非日常化」を求める勧告報告書を公表

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オランダの独立科学機関であるオランダ健康評議会(Gezondheidsraad)は、「いかなる量のアルコール摂取も安全とは言えない」とする勧告報告書を公表した。1日わずか1杯であってもリスクがあるとし、年齢や社会的立場を問わず、国民全体を対象に飲酒を「非日常的なもの」として位置づける政策を政府に求めている。

従来の「1日1杯」指針から大きく転換

今回の勧告は、評議会の従来の立場を明確に更新するものだ。2015年に示された食事ガイドラインでは、「飲まないか、1日1杯までにとどめる」という表現が用いられており、一定量であれば許容されるという含みがあった。今回の報告書はその余地を完全に排除し、「安全な摂取量」という概念そのものを否定している。

報告書が根拠として挙げるのは、アルコールと健康被害の間に認められる科学的証拠の積み重ねだ。アルコールは7種類のがんおよび臓器障害のリスクを高めるとの強い証拠があるとされ、交通事故や暴力・攻撃的行動の発生率との関連についても同様の評価が下されている。また、かつて「適度な飲酒は心臓病を予防する」という説が広く信じられていたが、報告書はこれを「証明されていない」と明確に否定した。アルコールが脳機能に影響を与え、依存症リスクを高めることも改めて指摘されている。

なお、オランダ国内で今年1月に発表された別の研究では、週に2杯減らすだけで2050年までに数千件のがんを予防できる可能性があるとされており、少量であってもリスクが上昇するという見解と一致している。

変わりつつある社会の飲酒文化

一方で、オランダ社会における飲酒の実態は既に変化の兆しを見せている。重度・過度の飲酒者数は減少傾向にあり、現在は成人の4分の3強が「飲酒する」と答えているという。評議会は、飲酒をめぐる社会規範を変えることは容易ではないと認めつつも、非飲酒者の層が拡大しつつある現状を踏まえれば、規範転換の機運は以前より高まっていると指摘している。

保健省の依頼を受けてまとめられた今回の報告書は、ソフィー・ヘルマンス保健相に提出された。しかし、オランダ政府はこの勧告に対してどう応じるか、具体的な方針をまだ示していない。飲酒文化が日常に深く根ざしたオランダにおいて、政策として「非日常化」をどう実現するかは、今後の議論の焦点となりそうだ。在蘭日本人にとっても、日々の食事や社交の場でのアルコールとの向き合い方を見直すきっかけになり得る勧告といえる。

情報源: DutchNews

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