メインコンテンツへスキップ
オランダで史上最も暑い夜か――KNMI、記録更新を予測
社会 読了 2分

オランダで史上最も暑い夜か――KNMI、記録更新を予測

「体が十分に回復できない」――専門家が警告する熱帯夜の健康リスク

この記事をシェア ✓ コピーしました

オランダ気象庁KNMIは、リンブルフ州ベークの夜間気温が25度を下回らないと予測しており、これが現実となれば観測史上最も暑い夜として記録される。現在の記録は2018年7月27日にヘルデルラント州デーレンで観測された24.4度だ。昼間の猛暑が続くなか、夜間も気温が下がりきらない「熱帯夜」の到来は、睡眠障害から始まる健康への連鎖的な影響を専門家たちに改めて警告させている。

眠れない夜が体に与えるダメージ

TNOとコペンハーゲン大学に所属する熱生理学者ボリス・キングマ氏によれば、「気温が18度を超えた時点で、すでに睡眠の質への影響が出始める」という。また、気温だけでなく湿度も不快感に大きく影響する。毛布を薄くするなど個人レベルの対処は一定の効果があるものの、気温がさらに上昇すればその余地も限られてくる。

熱帯夜の翌日は、体が暑さに対処する能力そのものが低下する。「睡眠不足は、翌日の熱への対応力を確実に弱める。集中力が落ち、ミスが増え、気短になりやすい」とキングマ氏は指摘する。さらに、暑さへの対応そのものが体への負荷となる。安静時の心拍数が10拍以上増加することもあり、その疲労を回復するはずの夜間の睡眠が乱されることで、体は悪循環に陥る。

脆弱なグループと「エアコンは非交渉」

マーストリヒト大学の研究者ハンナ・パルビンスキー氏は、心臓・血管疾患の患者、高齢者、妊婦、糖尿病患者といった脆弱なグループについて「エアコンの使用は交渉の余地がない」と断言する。これらの人々には、十分な回復のための良質な睡眠と、涼しい環境への一時的な避難が不可欠だという。

一方、健康な人に対してはあえて「少し自分に挑戦を」とパルビンスキー氏は助言する。終日エアコンの効いた部屋に閉じこもるのではなく、時折外の暑さにも身をさらすことで、体が暑さに順応する訓練になるという。また、室内をあまり外気温と大きくかけ離れた低温に設定することも推奨されない。「体が暑さに慣れる機会を奪うだけでなく、エアコンは大量のエネルギーを消費する」とも指摘している。

気候変動がもたらす「新しい夏」

こうした記録的な熱帯夜の背景には、長期的な気候変動がある。KNMIによれば、1901年の観測開始以来、オランダの平均気温はすでに約2度上昇した。夜間の気温が20度を下回らない日は、前世紀のデ・ビルト観測所ではわずか2回しか記録されていなかったが、今世紀に入ってからはすでに8回に達している。加えて、都市部では建物の蓄熱効果により、実際の体感温度はさらに高くなりやすい。

パルビンスキー氏は「地中海沿岸の国々やインドでは夜間に27度前後が当たり前で、人々はそれに慣れている」と指摘しつつも、オランダ人がこの暑さに慣れるかどうかについては、科学的な検証がまだ不十分だと認める。今後数年で研究を進めるという。オランダで生活する日本人にとっても、こうした熱帯夜への備えは、特に高齢の家族や持病を持つ人が身近にいる場合には他人事ではない。

情報源: NOS Algemeen

この記事をシェア ✓ コピーしました

📩 無料メールニュース

明日のオランダニュースも、メールで読みませんか?

毎朝、その日のニュース要約と音声版(ポッドキャスト)が
メールで届きます。無料です。

無料で購読する

関連ニュース